【映画】ガッチャマン(実写版)
「新造人間キャシャーン」「マッハGo!Go!Go!」「ヤッターマン」につづく、”日本のマーベルコミックス(笑)”タツノコの実写版第4弾「ガッチャマン」である。
タツノコの代表作と言っても過言ではない”科学忍者隊ガッチャマン”、監督は”カイジ実写版”の佐藤東弥。脚本は”GANTZ”、”20世紀少年”の渡辺雄介。ヤッターマンの成功のこともあって、結構期待していた作品の一つでもあった。
しかし観たとたん「なんぢゃこれはー!」と暴れてしまったのは言うまでもない。
筆者は漫画は漫画、小説は小説、アニメはアニメ、映画は映画な人なので、たとえ原作からかけ離れていても気にしない方だ。
ところが、この酷さは、実写版デビルマンや実写版宇宙戦艦ヤマト並で、もうひどいの何の。
”科学忍者隊ガッチャマン”は、多少コミカルな表現はあれど、謎の敵ギャラクターの驚異から地球を守るガッチャマンというヒーローもので、けっこう真面目な作品である。
設定が変わる程度なら気にしないのだが、本作では、その根幹である「真面目に地球を守る」部分が描かれず、大半が”ラブコメ”・”昼メロ”、三角関係や横恋慕、そして、どうしようもなく青臭いというか何というか、組織だ自由だ仲間だと”地球が危ないのだ”というところを黙殺したような中学生日記のような話が展開される。
しかも、これがガッチャマン内だけではなくギャラクターにも及ぶ。
”地球が危ない”ことなど、どうでもいいかのようだ。
さらには、ギャラクターが現れ地球が壊滅寸前だからと、ガッチャマンが組織されたはずなのに、映像に現れる”東京”は現代の日常そのもの。廃墟もなく、ふつうに通勤電車が走っているような状態。
”地球が危ない”ことなど、どうでもいい、どころか、実は地球は危なくないのではないかとさえ疑いたくなる。
VFX(特撮)が白組なのもいけない。なんと軽い。ブリキのおもちゃのようなギャラクターの兵器に、ゴッドフェニックス。そして肝心の俳優陣のアクションのショボさ。まちがっても一応はアクションするはずなのに、そのシーンの適当さ。例えば竜役の鈴木亮平が、HK変態仮面で見せた驚異の肉体改造の努力と、気合いの入ったアクションシーンからを見せたのに対して、ただかっちょいい俳優がイカすバトルスーツを着ただけ、コスプレのようなアクションにも気恥ずかしさ満開だ。
そして、カタルシスも何もない全体。もちろん記憶の残るシーンなど皆無だ。
人気俳優で集客して金だけ取ったら終わり、というような出来映えで、佐藤監督、渡辺氏いったいどうしてしまったのだという体たらく。
まことに残念な作品であった。
白組は、ほんとに、だめだな。
同時上映の3分間の「おはよう忍者隊ガッチャマン」というアニメの方がよっぽど面白かった(笑)