★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【音楽】LOGIC SYSTEM(4) TANSU MATRIX

f:id:tsuchinoko118:20120116061010j:image:left:w220第4のYMO松武秀樹氏ひきいるロジックシステムの最近の作品。
世の中すっかりデジタルになってしまった昨今において、とつぜん、文字通りタンスの奥からタンスを引っ張り出して、デジタルとの競演(コンチェルト)を行ったのが本作。
往年のなつかしいE-muモジュールは、当時、その姿から「タンス」と呼ばれていたが、アルバムタイトルも「タンス」。そのユーモアあふれるタイトルから想像する音は、はてさて。
ややドキドキしながらも、レコードに針を落とすと(違)E-muのぶっといぶっといアナログシンセサーザーの音が鳴り響く。
1曲目のターニングポイントから、テクノ中のテクノ的なアレンジで飛ばす飛ばす。
さらに驚くことに、松武氏自身が開発に携わったニンテンドーDS用音源モジュールDS-10。なつかしのボコーダーVP330の後継機VP550。YAMAHAヴォーカロイド2なども惜しげもなく使いまくり、なんともきらびやかなテクノコンチェルトを展開している。
自身も録音に携わった坂本龍一氏のデビューアルバム曲「千のナイフ」のカヴァーや、ヴィレッジピープル(西城秀樹かも)の正調ディスコ歌謡「YMCA」など、いつになくとにかく多彩だ。
1曲目と最後の曲以外は、すべて「テクノ歌謡」そのもので、ロジックシステムのアンチ・アーティスト的なユーモアを感じる。
なによりも、ロジックシステムらしく、歌謡曲をちらばめて、古い古いアナログシンセサーザーと最新のデジタル音源を競演させるアイデアは秀逸。
現代のものなのか、懐かしいものなのか、よくわからない混沌とした世界にひきづりこまれる。
すっかりお年も召され日本シンセサイザープログラマー協会の会長もなさっている松武氏だが、名誉職に埋もれることなく、松武氏らしいアイデアで、「最新作」を発表するアクティブさには脱帽。
とにもかくにも、筆者の愛聴板となっておりオールタイムの1枚だ。


youtube に音源が落ちてませんでした。