★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】ドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク)

f:id:tsuchinoko118:20120318125934j:image:left:w220知る人ぞ知るゾンビ映画の不滅の金字塔「ゾンビ」(1978年ジョージAロメロ監督作品)のリメイク?版。いわゆるモダンゾンビ=人肉を食う、食われた人もまたゾンビになる、脳を破壊されると活動を停止する、というルール?を、築いたロメロ・ゾンビの原題は「DAWN OF THE DEAD」この映画のタイトル。

ロメロ・ソンビを、お金をかけて最新技術のスプラッター映画というロクでもないリメイクかと、思いきや、監督のザックスナイダーという人は、「なんで偉大な作品を撮り直さねばならん」と、まったく別のストーリー展開と、新しい解釈で、まさに現代的な名品に仕上げてしまった。
CM界出身の監督さんらしいスピード感のある演出で、最初は、「え〜〜!?走るソンビ〜〜?ゾンビは、ノロノロ歩かなくちゃ〜〜」と思ってたのですが、いざ、観てみると、「これは、こわい(^^; めちゃこわい(^^;;」。
集団で腐った死体数百人が、猛スピードで走って襲ってくる。しかも、自動車のフロントガラスを素手で、ヒビいかせるようなパワーで。もちろん目的は、カニバリズム、食うために襲ってくる。
監督さん曰く「ゾンビの傍を歩いて横切れるようじゃだめだ」と。。。なるほど。たしかに(^^;
今風のカメラワークと編集で、さすがの筆者も劇場でビビりまくった。

ちなみに、ロメロ・ゾンビで、これでもかこれでもかと描かれていた残虐描写・人肉を食うシーンは、ほとんどナシ。それでも、走るゾンビで、これだけ怖いとわ・・・

f:id:tsuchinoko118:20120318125933j:image:right:w220予告編では「主演サラポーリー」と、ヒロイン(今風に強いヒロイン)が主演してるかのような宣伝をされていたが、出演者それぞれ結構個性的であるにもかかわらず、みんな影が薄い。演技や演出、編集がマズイわけでもなく、ただなんとなく影がうすい。
ゾンビは、ただ人間を食うために、さまよい歩き、獲物を見つけると、猛ダッシュで襲う。
片や、生き残った人間側は、ただ生き延びたい一心で、ゾンビを撃ち殺し、逃げる。
双方とも目前の利益をルーチンワークとして追いかけているだけで、これといった最終目標がない。
わたしたちの生きる現代においても、あーだこーだ目前の希望はあっても、最終目標はなく、ルーチンワークが主体となって、毎日の時間が経過し、いつしか(予期しないタイミングに)寿命が尽きるという機械的な生活が主体になっているような気もする。
映画の特別な状況は、そのまま、この現代と重なるところが多く、ゾンビと人間(わたしたち現代人)の、どこに差があるのか?主人公たち生き残り組みの置かれた絶望的な明日の見えない状況と、わたしたちの置かれた状況の、どこに差があるのか?考えさせられるストーリー展開は、ロメロゾンビの精神と通じるものがあった。

f:id:tsuchinoko118:20120318125932j:image:left:w220本作は、まさかの大ヒット。

このあと、死霊のえじきのリメイクに、ロメロご本人の新作にと、しばらく思い出したようなゾンビ作品ラッシュになるのであった。

それほどに影響力のあったゾンビ作品。