★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

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スーパーヒーローに憧れるコスプレなりきり少年が通販で購入したスーツを身にまとい「キック・アス」と名乗って活躍する前作「キック・アス」の続編である。

原作コミックはよく知らないのだが、スピンオフ作品「ヒットガール」を下敷きにしたもののようだ。

前作から3年が経過し、デイブは普通の高校生に、ミンディはマーカスに引き取られ普通の高校生として生活していた。折しもデイブ=キック・アスの活躍を知り、影響を受けた”普通の人々が”扮装をした自警団「ジャスティス・フォーエバー」が結成され、デイブも参加、日々”スーパーヒーロー”として夜警に廻っていた。

その頃、麻薬犯罪組織のドンである父を殺されたレッド・ミストことクリスは、ザ・マザーファッカーを名乗り巨額の遺産で「打倒キックアス」を旗印に、多数の殺し屋を雇い「スーパーヴィラン・悪の軍団」をつくっていた。

等身大のヒーローを描いた「スパイダーマン」に対し、さらに等身大に、これといったスーパー能力はないのだけどもコスプレと勇気だけの超等身大なエセ・ヒーロー「キックアス」の続編は、主人公のキック・アスことデイブよりも、ヒット・ガールことミンディと、ザ・マザーファッカーことクリスがクローズアップされ、どこかしらシリアスでマジメな雰囲気で、前作をなぞっただけというわけではない快作に仕上がっている。

前作の、ある意味、極端な不真面目さ(不謹慎さ)が面白かったところもあり、まじめな続編である本作は、はたして受け入れられるのかは疑問だが、筆者は、けっこういいんじゃないかと肯定的だ。

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ただ、ミンディとクリスがクローズアップされただけではなく、スターズ・アンド・ストライプス率いるジャスティス・フォーエバー軍団に、マザーファッカー率いる毒々デカマン軍団の面々など、わんさか出てくる新キャラが、ますますデイブの存在感を消し去ってしまい、キックアスが脇役になっていたところは残念だった。

作中では、クロエ・グレース・モレッツの魅力炸裂で、前作ではロリロリだったヒットガールがすっかり成長し、愛らしいティーンズとして描かれ、これはこれでウケるのだろうが、筆者的には、どちらかというと、クリス(レッドミスト/ザ・マザーファッカー)を演じるクリストファー・ミンツ・ブラッセと、ハビエルを演じる名脇役ジョン・レグイザモの掛け合いが良かった。

彼らが結成する毒々デカマン軍団も、原語では TOXIC MEGACUNTS と(直訳すればたしかに毒々デカマン)放送禁止用語そのままで、悪人ヴィランの名前も人種差別的で、これを名付けるのはマジメ顔のクリスだが、それを、あきれた顔で辞めろってと諭すハビエルが漫才でも見ているようで、これこそ映画の演技合戦だと”らしさ”が楽しめた。

結果、悪人軍団は壊滅、ミンディも街を去りと、すべての終焉漂う本作だが、あと1作続編があるらしい。

はたして次回はどのような展開でオーラスを迎えるのでありましょうか。今から楽しみだ。

それにしても、現実世界のヒーローのまねごとを描く本作にあって、唯一、マンガチックなのがサメに食われて両手両足切断されても、まだ生きてるクリス=マザーファッカーなんですよね。いいキャラです(笑)


映画『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』予告 - YouTube