【音楽】王様
かつて(というか現在も)、王様というミュージシャンがいた(というかいる)。
60年代〜70年代、最近では80年代のロック・ハードロックを日本語カバーしているギタリストで、そのギター・テクニックは最上級。
ただし、ステージ衣装(というか格好)は宴会芸人。そして日本語カバーの訳詞は「直訳」。
「直訳ロック」という”新スタイル”を確立、「深紫伝説」という”作品”で一世風靡したのは1995年。およそ15年前の話しだ。
そんな王様が、この3連休の3日間、北陸ツアーを行い、昨日「王様 ひとり in 金沢」と題して、石川県金沢市のライブハウス「JeaulousGuy」に登場した。一昨日いきつけの美容院から情報を得て(ありがとうございます!)急遽、これは生で観なくては、と、行ってきたのだった。
15年という時間を経て、音楽性が変わるとか、スタイルが変わるというのは、よくあることだ。とくに、一発芸人においては、生き残るために、それはあたりまえのことで、時に応じて、どんどん変えていかねば、その存在さえ消え失せてしまう。はたして、宴会芸の延長線上のような(失礼)王様は、どうか。
期待半分、恐れと心配半分、開幕まで緊張しながら待機。
王様の登場で、その恐れと心配は吹き飛んだ。
そのまんま、だ。
衣装もそのまんま。「直訳ロック」もそのまんま。
ギター・テクニックも、そのまんま、いやはや、もっと上達している。
いきなり「カブト虫さんたち(ビートルズ)」の直訳メドレーで、はじまり、会場のみなさんと「昨日〜〜」とご一緒に歌ったあとは、期待通りの「直訳ロック」が続く。
なんでも「直訳ロック」をCD化する際には、著作権管理会社を通じて、「日本語カバーをしたい」ときちんと許可を取ってるそうだが、お断りされることも多いとのこと。「もう一踏ん張り(リビング・オン・ア・プレイヤー)」=ボンジョビや、「ぴょん(ジャンプ)」=ヴァンヘイレンなども、直訳で演奏してくれていて、これがかなり笑える・・・いや、感動する直訳・・・いや日本語カバーなのだが、そんな事情で表には出せないらしい。はがゆいところだが、著作権者が許可しないのだから仕方がない。あ、いや、ナイショである。そのような演奏は、されていない。
ライブは休憩を挟んで2時間。たっぷりと、王様の、当時そのまんまのあいかわらずのテンションと、ギターテクニックを堪能させていただいた。ごちそうさま。
ちゃんと15年前、25万枚のCDを売り上げたという王様の出世作でありヒット作である「深紫伝説」もメドレーで、「高速道路の星」「速さの王様」「燃えろ」「湖上の煙」も演奏してくださり、おおいに盛り上がったライブであった。
会場が「JealousGuy」という名前のライブハウスだったので、きっちり「やきもち男(ジェラスガイ)」も。サービス精神旺盛な王様であった。
近年も精力的に、年間180本の生ライブをこなしているという。
あまり大々的に広告されることはないが、調べてみると、みなさまの地元にも現れているはず。ぜひ、懐かしさと面白さ、楽しめること請け合いなので、足を運んでみてはいかがなものだろうか。
王様足湯 業務日報
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