★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【音楽】QUIT30/TM-NETWORK

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80年代の古くささ、往年のTM節満載のTM-NETWORKの新譜は、デビュー30周年で7年ぶりのオリジナルアルバム。日本がまだ歌謡曲フォークソングに席巻され、世良公則&ツイストの「あんたのバラード」という演歌を最新ロックだと有り難がっていた頃、ピコピコサウンド 1974で突如として登場し、ベース音の効いたエレポップの隆盛に貢献し、TKサウンドとして一時代を築いた後、迷走につぐ迷走と失速を続け、巨額詐欺事件に発展。ずいぶんと反省し、一から出直しますと再起をかけ、TM活動再開。なかなかエンジンのかからない様相を呈していた小室哲哉氏・宇都宮隆氏・木根尚人氏の3人が、ここに来て、ようやく「らしさ」を存分に発揮しはじめたようで、筆者は祝杯をあげているところだ(お酒飲めないので実は感謝の祈り)。

思えば前作 SPEEDWAY は、彼ら3名が元々属していたバンドの名前で、郷愁の想いが込められているようにも考えていたが、実は悲鳴に近い「助けてください」の信号だったのかも知れない(もう、当人らもどうしていいのかわからなかったのだろう。過労とも言えるし、半ば”うつ”(ウツノミヤではなく)だったのかも知れない)

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そんな状態だったせいか、事件の禊ぎ(みそぎ)を終えて再起といっても、なかなかエンジンがかかるものでもない。時折発表される新作や旧作のアレンジでは、むりに現代の流行に乗ろうとした成金根性を垣間見る思いだったのは、筆者だけはないかも知れない。どこかに迷いがある。当人らしさを消そうとしている。美味しかった時代(実は最もつらかったのだろうが)に、戻りたがっているようにも見えたりした。

しかし、今回の新譜では、ようやく「らしさ」が戻り、充実した創作活動が出来たのか、いやほんとに「TM-NETWORKらしい」。

古い。歌謡曲のようでありフォークのようなメロディライン。音源(主にシンセサイザーの)も、かつての SELF CONTROL あたりまで逆行。80年代~90年代の香り。どれもこれもが、今風ではない。

小室氏の前作DEBF3で、妙な似合わないEDMコンセプトは、どうしようかもどかしい感じだったが(筆者だけかも知れないが)、今作では”ふっきれました”感がよく出ている。これは”買い”だ、と速攻購入したのは言うまでもない。

iTunesストアだと、なぜかオトクな 2000円だったので、これもうれしいオマケだ(笑)今後も益々ご健勝ご発展をお祈りする限りだ。


TM NETWORK / QUIT30 Trailer(music:Alive) - YouTube