【映画】ダヴィンチ・コード
当時、賛否両論のすさまじいセンセーションの渦が巻き起こった「ダヴィンチコード」。
まず主観的感想としては・・・
これ、おもしろいか!?
なのであった(ToT)
要は、ある殺人事件の謎解きサスペンスで、はっきり言って映画としては、さっぱり面白くない。世界のあちこちで抗議があるように、キリスト教の秘密、を題材にしてはいるものの、それはちょっと置いといて・・・
原作を読んでないので、よくわからないが、たぶん原作は大長編。それを2時間半に、まとめようというんで、どうしても、駆け足的なダイジェストになってしまう。
冒頭の殺人事件。暗号が出てくる。暗号発見直後に、ほとんど勘で、あっという間に解いてしまうトム・ハンクス。次から次に出てくる謎、そしてアイテム。次から次に解いてしまう。
ふつう、サスペンスってば、謎がいくつも出てきて、最後に、全部あわせたらこういうことだった、なるほど〜、だと思うのだが、本作では、ナゾが出てきて、すぐ解いて、ナゾが出てきて、すぐ解いて・・・観ている側は「あ、そうですか。あ、そうですか」と、いう感じで、カタルシスもへったくれもない。
キリスト教の総本山=バチカン(ローマ)のスキャンダルを暴く、といえば、聞こえは良いが、演出も脚本もチープすぎて、なんというか・・・
・矢追純一UFOを追う!NASAスキャンダルを暴露!
・横溝正史TVシリーズ
を足して2で割ったような作品で、
イアン・マッケラン、アルフレッド・モリーナ、ジャン・レノの名脇役の名演も、作品を盛り上げることは出来なかったようだ。
内容については、実在する人間イエス・キリストが、マグダラのマリアをはらませて、子供ができて、その子孫が現代にも生き残っているという、グノーシス絡みの偽書とされる聖書関連書物からの引用。世界中で暴動・抗議が起こりそうな内容ではあるが、
そもそも、タイトルの「ダヴィンチ・コード」。
ダヴィンチの名画「最後の晩餐」に隠されたナゾ解きを意味しているようで、最後の晩餐は、別にイエス・キリストと12使途の晩餐を、目撃しながら写実的に描いたものではなく、あくまでも想像が産み出した絵画。
そこに、どのような「コード」が埋め込まれていようと、それはダヴィンチの想像であって、キリスト教の真実を暴露しているわけではない。
そんなタイトルを冠した本作が、イエス・キリストを人間扱いした上で、子をはらませたと、言ったところで、ありふれた、そこらじゅうに落ちているような話で、何も、騒ぐような話でもないように思うのは、筆者だけなのかも知れないが、ともかく、世界中で物議を醸し出した。
作品を見ると、よくわかるが、キリスト教うんぬんは、エンターティメントであるがゆえのファンタジーであって、物語の核心ではない。
実際、悪役というか、変わったカルト教団のように描かれるオプス・デイは実在の組織だが、チェーンで足を縛って血をしたたり落とすようなことは何にもしていない。
手塚治虫の「アドルフに告ぐ」を読んだら歴史が変わるのか、と言いたいところだが、それより何より、これほどに、あくび出まくりの2時間半。これほどに長いと感じる作品。
非常につまらない映画であった。
ひきつづき2作目として「天使と悪魔」が描かれる。
こちらも、バチカン・スキャンダルを描いてはいるが・・・
2作目以降、続編がつくられていないことから、作品の評価は想像できると思う。ぜひ、想像した結果を、イラストや落書きに埋め込んでいただきたい。
すると、数百年先に、ロバート・ラングドンならぬ、ミスター・ジングルスと共に、ジョン・コーフィからもらった奇跡のエネルギーで、いつ死ぬかわからないトムハンクスが、ナゾを解いてくれるかも知れない。