★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【音楽】Yellow Magic Orchestra

f:id:tsuchinoko118:20120124080635j:image:left:w220黄色魔術楽団と銘打ってYMO(Yellow Magic Orchestra)が結成デビューしたのは、80年代も間もなくはじまろうとしていた1978年の頃であった。
ベーシストの細野晴臣氏が、自身のソロハルバム「はらいそ」のレコーディングの日に、ドラムスの高橋ユキヒロと、キーボードの坂本龍一を自宅に招き、コタツに入りながら焼きおにぎり(あるいは、みかん)を食べながら結成したという逸話が残されている。
年の暮れも近い11月下旬、デビューアルバムとなる「イエロー・マジック・オーケストラ」が発売、翌年にリミックスされた米国版「イエロー・マジック・オーケストラ」が米国、そして、日本でも発売された。
日本国内でのデビューは、さほどでもなかったようだが、米国でのライブの大成功(前座だったようだ)で、その話題性が日本に逆輸入される形で、再(?)評価され、徐々に人気度を上げていったように記憶している。
f:id:tsuchinoko118:20120124080634j:image:right:w220日本でのブームというか評価の高まりは、誰もがご存じの「ライディーン」「テクノポリス」が収録された2枚目以降なのだと思うが、筆者にしてみると、この時出会った「ファイヤークラッカー」と「マッドピエロ」の鮮烈な印象は、今も忘れない。
実際、「ファイヤークラッカー」と「マッドピエロ」は、今もヘビーローテーションで、いつも iTunesの中心的なプレイリストに鎮座されている。
当時は、YMO(Yellow Magic Orchestra)=細野氏、高橋氏、坂本氏の3名だと思い込んでいたが、そのサウンド面で、実は、大半が松武秀樹氏(LOGIC SYSTEM)の手によるものだと知ったのは、かなり後のことであったが、ともかく、既にシンセサイザー・コンピューターを前面に押し出していたドイツのクラフトワークに比べメロディアスでキャッチー、ポップでオリエンタルなYMOのサウンドは、一瞬にして、筆者を虜にしていったのである。
筆者は当時たいへんビンボだったので、「イエローマジックオーケストラ」というLPレコードは、とても高価で購入できず、現代のように、インターネットであちこちで鳴るというわけでもなかったので、少しお金持ちの珍しもの好きなお父さんを持った友人の家に、せっせと出かけ、聴かせてもらい、一生懸命に記憶していたのだった(笑)
その時の「記憶」の音は、ホンモノと少し違う箇所があり、いまもって、その「違い」が気になってしかたがないという弊害もあるが、ともかく、それほどにハマっていたのだった。

音楽的には、いわゆるYMOらしさが詰まった1枚。
「東風(Tong Poo)」という旧YMOを代表するかのような曲も収録され、イージーリスニングともジャズともポップともフュージョンとも言い難いテクノの名曲が、古いながらも古さを感じさせない仕上がりとなっている。多くのいわゆるYMOファンが大好きな「中国女」も、1枚目に収録されている。
筆者的には「コズミックサーフィン」「マッドピエロ」あたりがスマッシュヒットで、坂本氏、高橋氏よりも、どっちかというと細野氏色の出た曲を好んでいくことになる。

f:id:tsuchinoko118:20120124080633j:image:left:w220当時、このアルバムが発売された年、クラフトワークの「人間解体」も発売され、来日も果たしていたと思うが、それまで音楽といえばクラシックくらいしか聴いていなかった筆者が、テクノに傾倒していくことになり、その後の音楽的志向を決定ずけることになった年でもある。

YMOのデビュー盤「イエローマジックオーケストラ」は、スルメのように噛めば噛むほど味がしみ出て、いつまでも飽きない音で、いまもって何度も聞いてしまうほどに、テクノの名盤だと思う。