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★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】ロボコップ3

フレッド・デッカーという映画は3本しか撮っていない映画マニアで日本アニメオタク(ロボコップ3のパンフレットでカミングアウトしていた)の人がいた。暴力描写の近未来サイバーパンクな1作目、それをなぞっただけの2作目に続いて、3作目の監督になったのがフレッド・デッカーである。

ロボコップ2事件でデトロイト市の私物化に失敗したようなオムニ社は、日本の巨大商社カネミツの傘下となり、躍起になってデトロイト市を私物化しようとしていた。傭兵を集め私設の特殊部隊リハッブ隊を組織し、デトロイト市民の立ち退きを強要、そこに新しいデトロイトのシンボルとなるデルタ・シティを建造しようとしていたのだ。立ち退きに応じない市民は銃と重機で強制的に住居を破壊、強制収容所送りにしていた。

市民の安全を守るはずのロボコップは、例のごとくオムニ社に逆らえないようプログラムされており、矛盾する状況に苦悩していた。そんなある日、教会に隠れた市民を逮捕しようとリハッブ隊がやってくる。ルイスとロボコップはリハッブ隊と衝突、ルイスは射殺され、ロボコップは瀕死の損傷を受けるが教会の地下に潜んでいたレジスタンスたちによって救出される。

レジスタンスたちは、オムニ社とリハッブ隊の強引なやり方に反発、団結し、抵抗勢力として立ちはだかっていたのだ。

事態が遅々として進まないことに業を濁したカネミツは、打開すべくオートモを送ることにした。
オートモはニンジャのような動きで、いともカンタンにレジスタンスの本拠地を発見、ろくに動けないロボコップと対峙するも、あやういところでロボコップの勝利となった。電気スパークと火花を発しながら倒れるオートモ。オートモは、日本製のロボットだったのだ。

その頃、同じく事態が収拾しない状況に業を濁したレジスタンスの一員が裏切り、本拠地をオムニ社=リハッブ隊に密告するものが現れた。即座に本拠地を襲撃するリハッブ隊。レジスタンスたちは壊滅寸前に追い込まれた。デトロイトを手中に収めることが確実な状況になったリハッブ隊の隊長マグダゲットは、デトロイト市警にも残存勢力の一掃に手を貸すよう求める。

オムニ社のやり方に反発するデトロイト市警は、レジスタンスたちと共に立ち上がり街を守ろうと呼びかける。リハッブ隊は街のパンクギャングたちを雇い、市警と住民を一網打尽にしようと襲ってくる。そして、破壊されたロボット・オートモがさらに2機、あらわれた。

ロボコップ達は街を守れるのか。

と、もうロボコップなんかどうでもいいかのような、ありきたりなサイバーパンク物語になってしまい、1作目、2作目とは何の関係もないかのようなストーリー展開となっている。
たしかに、前作でも、オムニ社が・・・・ 街は犯罪だらけで・・・という設定で、本作もオムニ社が・・・なのだが、前作での犯罪は住民の犯罪だったり、住民から血肉を搾り取る犯罪組織だったりと”都会の犯罪”であり、それと警察との戦いだった。ところが本作では、そういう犯罪は登場せず、住民組織のレジスタンスだったり、パンクギャングだったりと、「企業vs住民」のような話で、「警察」「犯罪撲滅」は全く出てこない。このため、犯罪から市民を守るロボット刑事ロボコップも、市民の安全を守る存在にすり替えられ、コップである必要性がほとんどない。

設定だけを拝借した、フレッド・デッカーによる創作といった方が正しいだろう。

企業は悪い。とにかく悪い。
住民はみんないいやつ。
スーパーヒーロー。
レジスタンスが支配者を倒す。

と、サイバーパンクの大筋を端折って子ども向けにしたような話で、当時劇場に足を運んだ筆者は「なんじゃこれ」とひっくり返ったのは言うまでもない。

とくにレジスタンスが倒すのは、例えば銀河皇帝とダースベイダーとか、国とか、絶対的な支配者でなくては面白くともなんともないのだが、本作の「支配者」は株価が暴落し明日には倒産してしまうような企業で、強そうに描かれるリハッブ隊にしても、作戦を遂行中であって、とても支配階層とは言いがたいところが、余計に面白くなくしてしまっている要因であろう。

支配をひっくり返すためにレジスタンスが進んでロボコップを奪取するというのならまだしも、なりゆきに任せて結果的にレジスタンスの中にいてしまうロボコップもイマイチ存在意義がわからないし、その存在意義がよくわからず、その存在さえも知らないカネミツが、対ロボコップのようなニンジャロボット・オートモを3台も送るというのが、さっぱりよくわからない。

当時は、あまりのわけのわからなさゆえに、オートモの起動が日本語コマンドコムだったりするので国産DOSかということだけが話題になった(笑)

このオートモという名前も、あからさまに大友克洋だったりするし、世界企業で日本の商社の世界本部が国際会議場(京都市)だったりするしで、なんともなんともオタクっぽいモノマネだったりするし。そんなことより、ロボコップの世界観を広げて欲しかったのが正直なところだ。興行的には大失敗で、ロボコップシリーズも終焉を迎えた。