【映画】DRAGONBALL EVOLUTION
正直いって、原作のことは、よく知らない。”なんでも食っちゃうぞ〜”というところから”魔人ブゥ”に似ているといわれて、そこらへんは読んだ。ミスターサタンとか、フリーザさま、スカウターとか、超サイヤ人とか、そのあたりは、わかるが、マンガ(原作)に思い入れがない。
だから、この興業的に失敗に終わり、原作ファンからもクソカスに言われている本作は平気だ。楽しめる、と、思っていた。
観た。
え?これで終わり?
なに、これ?
上映時間も87分って。。。ホラー映画じゃないんだから、なんで、こんなに短いの。
という前に、話がよくわからなかった。
シーン、シーンが細切れで、それでいて、駆け足的に話が進んでいくもんだから、設定も、何も、わからなかった。たぶん、設定や話は、マンガ(原作)をよく読んでいる人にはわかるけど、初めての人には、よくわからない作りになっているのだろう。公開当時の映画評論の中には「原作のスーパースーパーダイジェスト版」というのがあったが、ほんと、そんな感じ。
ピッコロは何がしたかったのか?
主人公は、ピッコロの手下だったのか(大猿とは何か)?なぜ高校生をやってるか?
たぶん原作とはずいぶん異なるのだろうけど、ともかく、よくわからない。
また、肝心のカタルシスがない。
ピッコロは悪の魔王だと思うし、本人もそう言ってるし、説明でも地球がえらいことになったとは言ってるけども、本編では、ただドラゴンボールを集め回っているだけで地球を壊滅させ、人類を滅ぼすほど、どれほどの能力があるのか、よくわからない。
さらには、ピッコロの子分は、マイという田村なんとか演じる女性一人だけで、しかもドラゴンボールの収集を邪魔をするだけで、敵対する勢力を殺すわけでもない。
まず、基本的に「危機感」がないのだ。
その危機感のなさにあわせたように、主人公たちも口では「えらいこっちゃ」と騒いでるけども、死ぬほどの訓練もしないし、命が危ういケースもほとんどない。
CGは、あいかわらず派手で見事だが、
アクションシーンは、中途半端に、マトリックスもどき(アニメ・スタイル)を入れるもんだから、迫力も緊張感もない。
用語の「日本語」もよくない。「かめはめは」「むてんろうし」「ごくう」 英語の発音にあってないためか、セリフのキレがない。「亀」の道義も、かっこ悪いし、場にそってない。
必殺技「かめはめ波」は、日本語ならではの促音を効かすから、こんなデタラメな名前でも格好いいのである。
「かめはめ・はっっ!」
キマる。
これを英語でやると「くわい〜 はぅめ〜ぃ はわ〜〜〜」となる。
なんだかよくわからない。
さらに、主人公の目的感のなさ。
強くなりたいわけでもなく、ドラゴンボールを集めるのも、じいちゃんが言ったから程度で、ピッコロの驚異に身震いするでもなく、地球を救う目的に燃えてるわけでもない。
この、なぁなぁさは「リメイク版妖怪大戦争」を見てるかのようだ。
世界観が狭すぎ。。。
ということで、せっかく、ストレスを発散しようと、”子供向け”覚悟で観たのだけどもなんじゃこりゃ・・・で、終わってしまったのは、たいへん残念である。いちおう、三部作ってことになってるみたいだけど、中止されるんじゃないかしら、これ。。と思っていたら、その後、続編の噂さえ聞かない。題材はいいのになぁ。監督・脚本・演出の問題なのだ、これは。。。
役者はいいと思いますよ。
チンピラ・ラッパーみたいなヤムチャをのぞけば。。。