【音楽】飯島真理 - 覚えていますか？-

約20年前、スタジオぬえ原作の「超時空要塞マクロス」というＴＶアニメが放映され、その登場人物のアイドル歌手「リン・ミンメイ」という中華料理屋の娘役をやっていた飯島真理というデビューしたてのシンガーソングライターがいた。時間的には、すでにデビューというかビクターと契約していたようだが、ともかく、このＴＶアニメのヒットにより、人気シンガーソングライターとして活躍していくことになった。

デビューアルバムは「ROSE」。坂本龍一プロデュースのせいか、全曲、坂本節満載で、キュートでポップなオリエント色全開の快作として仕上がっていた。正直いえば、シンガーやソングライターとしてよりもリンミンメイのイメージ＝すなわち２次元アイドルとしての立ち位置での人気の方がすさまじく、音楽家として当人がどう思っていたのかは、ここであえて、代弁することでもないが、あまり快くは思っていたなかったのであろう。

映画版「マクロス」で、またもやリン・ミンメイ役をこなし「愛・覚えていますか？」「天使の絵の具」を劇中歌として提供。いまもさまざまなミュージシャンに歌い続けられるほどの大ヒットを飛ばした。当人がどう思っているかは、ここであえて代弁することでもないが、ともかく、「愛・覚えていますか？」は、飯島真理の代表曲となった。

その後、当人の当時の思いを物語るように、アニメから離れ、音楽家としての創作活動に専念、できちゃった婚によってアメリカに移住することになる。

その後もコンスタントに創作活動は続けられ、現在に至るまでに、さまざまな賞も受賞したり、グラミー賞にもノミネートされている。しかしながら、飯島真理といえば、米国で活躍する日本人ミュージシャンというよりは、リン・ミンメイのひと、という印象の方が強すぎるが、このことについては、当人にはやはり葛藤はあるようだ。

筆者的には、「愛・覚えていますか」もテクノ歌謡だし、「天使の絵の具」もテクノ歌謡。そして、飯島真理の作品で一番好きな「セシールの雨傘」も、思いっきりテクノ歌謡だったりするので、いまも iPhone に常に登録されていて、ほぼ毎日聴いていたりする。

飯島真理、覚えてますか？(笑)

ちなみに、いまの飯島真理。
長い間アメリカにいるはずなのになぜかカタカナ英語。
音楽性も声質もあまり変わっていないが、年食った分、きんきんの高音は使っていないようだ。