★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】未知との遭遇

第一種接近遭遇。UFOを150m以内の至近距離で目撃。
(CE-1)
第二種接近遭遇。UFOの与える影響を間近で体験。
(CE-2)
第三種接近遭遇。UFOの搭乗者を目撃、接触。
(CE-3)

原題は「CE-3(第三種接近遭遇)」。当時、オカルトの一種のようにあやしげなものとして嘲笑の的でもあった流行の一つ。謎の円盤UFOの”専門?用語”が、CE-3(第三種接近遭遇)であった。

スピルバーグがジョーズの大ヒットの次回作として製作したのが本作。

UFO映画だ。

SFといえば、三流の・・・というイメージがつきまとい、名作2001年宇宙の旅を超えられずにいた当時、スターウォーズと並んで、傑作SFと称された、謎の円盤UFO映画が、これ。

1945年行方不明となった空軍機が砂漠で発見されるところから始まり、謎の停電事件、幼児の誘拐事件、主人公が発狂寸前に追い詰められ、軍隊が地区を封鎖、と、サスペンス調で話は進み、最後は、おなじみのシャンデリア型謎の円盤UFOと、音楽による宇宙人との会話、そして、感動のコンタクトまでを描いたスピルバーグSF映画の傑作である。

自分の部屋に閉じこもり、やってくるのは侵略者。すごい兵器で叩き殺せ!という安直で保守的な、宇宙人侵略ではなく、外宇宙からやってくる新しい友人としての宇宙人を描いているところが
スピルバーグらしい。”パニック”としての演出は忘れていないところも、また、スピルバーグっぽい。(このノリは、ETへと引き継がれる。)

すっかりCGが普及し、宇宙ロケットといえば、すすで汚れたILMの暗く汚らしいものばかりになってしまった昨今。あくまでも光学的に、ひかりの輪、を、映像にするダグラス・トランブルのUFOとゆるやかに包み込むようで、かつ、ゴージャスなジョン・ウイリアムスの音楽による、”天文ショー”は今でも圧巻。

当時の本作のキャッチコピー「We are not alone.」も、涙が出てくるではないか。そう、我々は、孤独(ひとり)ではないのだ。はじめて出会う相手に、笑顔で挨拶。なんと単純で、なんと、すば
らしいことなのだろう。なんと、すばらしい世界なのだろう。本作は、嘲笑されるべき謎の円盤UFO作品ではなく、原題が示す通り、「出会い(接近遭遇)」を描いた名品なのである。

そして、間違いなくスピルバーグの最高傑作である。