【音楽】Yellow Magic Orchestra(4) BGM
温泉マークのYMO。通算5作目になる本作は、いままでのテクノでポップなディスコ風電子音楽から一転、陰鬱で暗く、実験的要素もあり、イギリス・ニューウェーブだったりするような、変わった作品となった。
筆者的には、YMOといえば、まず、これ。
で、雷電や東京よりも大好物。いわゆる80年代の幕開けにふさわしい国産テクノだと思っている。そんなわけで、30年経過した今も、この盤だけは、ヘビーローテーションだ。
音楽的には、エフェクト処理が際立ち、生っぽさを否定したような音だらけで、実際、生楽器は皆無。無機質で機械的なテクノらしいテクノだ。
興行的な狙いがあったのか、実際に仲が悪かったのか不明だが、「高橋」「坂本」「細野」という”個性”が前面に押し出されているのも本作の特徴。それまでの「バンドっぽさ」を打ち消した結果、非常に良い意味でのバラエティさもあって、なかなか楽しいテクノ作品だ。
アルバムの最後を飾るLOOM では、めずらしい「耳の錯覚」を体験できる実験音楽となっている。もともとは、第4のYMOこと松武秀樹氏が、ある周期で上昇音と下降音を同時に鳴らすと、延々上昇し続けるように聞こえる”錯覚”を発見?した「謎の無限音階」という曲のアイデアである。
タネアカシをされた今も、やはり、延々と上昇音がつづくように聞こえ(感じ)、人間の聴覚・脳の判断のあやしさを実体験できる。
人は、どんな場合も、ついうっかり自分を信じてしまうが、実のところ、それほどいい加減ででたらめなことはないのである。ここ数年、特に「自分を信じて」という言葉を耳にする機会が多いが、「客観」が失われ「主観」が支配する世の中とは、実に、おそろしい。
それは、目の前に実際にある真実など何もない、と言ってるようなもので自己中心的価値観という、非常にあやうい、不安定な幻、まやかしが支配することを意味する。気分はよいかも知れないが、本当にそれでいいのだろうか。それはつまり、人を騙して金をふんだくっても、ムカついたら殺しても、腹が立つから匿名でブログに中傷誹謗を書こうと自由だ(実際、結構多い(笑))、と言って、やってるようなもので、ほとんど犯罪ではないのか。なるほど、犯罪はひたすら増加している。
自分など信用に値しない。
LOOMは、それを気づかせてくれる名曲でもある。
その他の曲も、それぞれに毒をもった曲が多い。
それがBGMというアルバムである。
↑これも、いつか消されるような気がします(^^;; 全曲入り(^^;;