【音楽】TM-NETWORK(3) GORILLA
前作のアコースティック歌謡路線から、突然、生音のホーンセクションやデジタルピアノが強調されダンサブルなFANK色が強くなっている。機材的にも、サンプラー(いまでは当たり前だが)、PCM音源など、環境がよくなったこともあるかも知れないが、(うわさではシンクラビアを導入したようだ)、いわゆる TKサウンドの「音」に近くなっている。
楽曲的には、16分音符が登場しても、やはり8分音符主体だが旋律には、幅が出てきた感がある。宇都宮くんの表現力があがったというのもあるのだろう。歌謡フォークポップから、一皮むけてダンサブルなニウロマ・テクノ、ビートを強調した良質なエレポップユニットにはなったと思われる。
FANKSという造語で、ファンを増やそうという企みが見え隠れするが「タメ」も「モタリ」もないデジタルビートでは、R&Bにもファンクにも、近づけない。あいかわらず、固定客で終わってしまっているような気がする。興業的には、ここでも失敗している TM NETWORK、いっそのことマイナー路線で P-MODELのように活躍すればよいと思ったのだが、たぶん、音楽出版社はそれを許さないのだろう。
個人的には、やはり「Come'on Let's Dance」がサイコー。聴く人が聴けば、TK小室が、金にふりまわされる原因となったGET WILD への片鱗が見え隠れするだろう。
全体に暗めの曲調が多い(ような気がする)
しかしアルバムとしては全然おもしろくない、なんとも「何かを演じてる」ような出来映え。しかし次回作 SELF CONTROL で、ついにようやく TMらしさにたどり着く。間にミニアルバムを挟んで。