★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】エクトプラズム 怨霊の棲む家

f:id:tsuchinoko118:20110707101150j:image:left:w2201987年コネティカット州にある町・サジントンで実際に起きた悪夢のような出来事に基づいて作られたTVドキュメント番組に基づいて作られた”家もの”オカルトホラーである。

実話を基にした”家もの”といえば”悪魔の棲む家”が有名だが、本作もちょうどそんな感じの作品で、引っ越してみた家は、実は昔・・・ というところからストーリーが始まり、オカルト現象に襲われるという作品だ。

タイトルの「エクトプラズム」とは、口や鼻から”霊”を物質化(半物質化?)して吐き出すという霊が体内から流れ出る現象を指す。タイトルに冠しているのに、エクトプラズムが襲ってくるとか、そういうことは皆無で、そもそもほとんど出てこない。むしろ、”怨霊の”の方が本題である。

とある家族が、長男の病気の療養のため、格安の家に引っ越して来る。
実は、この家は、昔、葬儀場だったという。
また、霊能力者として有名な少年がいて、降霊会を開催していたという。

ある日を境に、病気療養中の長男は、おそろしい幻覚に悩まされる。
そして・・・

しだいに家族が巻き込まれる恐怖。しかして長男と長女は、この家のナゾを突き止めようと図書館で、この家の驚異の秘密、おそるべき歴史を発見する。

霊能力者の少年と降霊会。霊能力を高めようと主催者が施す数々の呪術(黒魔術)。それによって、霊が家に封じ込まれているという事実。

家族はどうなっていくのか。

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この手の作品には必ず登場するキリスト教の司祭が、本作では登場しない。代わりに、キリスト教の牧師が登場する。牧師なので、よく見かける衣装ではなく、普通のくたびれた背広。どこにでもいるオヤジ風だ。気をつけてみないと、優しいオッサンにしか見えないので注意が必要だ。

そして事態を収拾しようとするのは、牧師ではなく、病気で余命いくばくもない長男だ。このあたりも新鮮さのある作風だ。長男は斧とホルマリンとマッチで、霊と戦う。


よくよく見ると、家族のお母さんと、牧師は「ゴッドアーミー・悪の天使」で、悪の天使クリストファーウォーケンと一戦まじえることになる主役競演二人組。数十年ぶりの競演といったところだろうか。
こういう配役をするということは・・・ 作品中のオカルト現象の描き方が、スタイリッシュだ。ただ、こういう作品においては、スタイリッシュな演出よりも、もっと、おどろおどろしい演出の方が似合う。

とはいえ、内容は、かなり「ストレートパンチ」で、死んだ霊能少年の悲惨さなど、観ていて涙を誘う。非常にマジメな良質のオカルトホラー作品である。

こういうのは最近少ないように思う。