★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】クリスティーン

スティーブンキングの原作をB級ホラーの鬼才ジョン・カーペンターが監督した、命の宿った車が人をばんばん殺すホラー映画。おそらくオカルトホラーなのだと思う。

いじめられっこのアーニーは、車があると女の子にもてると車の購入を決意するが、貯金ではとても買えない。そんなときボロボロのフューリーが何とか手に届く範囲の値段だと知り、貯金をはたいて購入。クリスティーンと名付けた。しかしクリスティーンは意思を持った車で、自分そしてアーニーに邪魔となる人間を次々と殺害していく。

車が襲ってくる映画としては「激突!」があるがどちらかというとアクション映画。もうひとつオカルト車が人間を襲う「ザ・カー」もあるがいまひとつ目的がよくわからず意味不明な部分が多い。しかしながら本作は、さすがスティーブン・キングによる原作で、理不尽な部分は「生きた車クリスティーン」だけで、あとは、例えばアーニーをいじめたからひき殺したとか、自分をボコボコにしたからひき殺したなどなど、基本的には「やられたからやりかえす」わかりやすい話しだ。
もともと、いじめられっ子だった気の弱いアーニーも、何かあるとクリスティーンが殺してくれると、武器というか力を得たアーニーはどんどん自信過剰に。あたかもクリスティーンに取り憑かれたかのように変貌していく。最後は友人の助けを得て、クリスティーンと対決。なにしろ、壊されても自己修復機能がありぐにょぐにょぐちょぐちょと元の車体に戻ってしまうような車なので、ハンマーで殴ろうが銃で撃とうがびくともしない。はたしてクリスティーンをとめることができるのか。アーニーの運命はいかに。

といったストーリー。激突!やザ・カーに比べストーリーの骨子がしっかりしている分、ただのホラーやただのアクションではなく人間ドラマの部分もあったりする。このあたりはスティーブン・キング=モダン・ホラーらしい作品とも言えよう。
ジョン・カーペンターの産み出した、ぐちょぐちょぐにょぐにょと壊されたクリスティーンが復元されるシーン(形状記憶合金のようだ)もあいまって、ずいぶんと楽しめる。
もちろんアーニーを演じるキース・ゴードンが次第に攻撃的に変貌していく演技(とくに瞳孔開きっぱなしの目)なんかも凄味を感じる。

必見。