【映画】バットマン・ビギンズ
「インソムニア」等のサスペンスものでお馴染みのクリストファー・ノーラン監督が放つ、バットマンの新シリーズ。アメコミ・ヒーロー・アクションものである。
出演の俳優の皆様が、とにかく豪華。
主演のバットマン=ブルース・ウェインに、クリスチャン・ベイルを配し、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマン、渡辺謙。28日後・・・で主演の、キリアン・マーフィーも、悪役で大活躍。ルドガー・ハウアーまで出てるぞ。
ゴッサムシティ。少年ブルース・ウェインは、両親が犯罪に巻き込まれ、銃殺され、ゆがんだ心を持ったまま成長する。自分の中に恐怖がある。
恐怖を克服するため、ブルースは放浪の旅に出かけ、自ら犯罪に手を染める。そんなとき、チベットの山奥から、”影の軍団”へ誘われるブルース。鍛錬の成果で、超人的な能力もったウェインは、ゴッサムシティに戻り、悪人に恐怖を植えつける存在、バットマンとなった。
旧シリーズにない重厚な描き方、理知に富んだ犯罪者、きちんと理由のある説明。重厚なバットモービルに、バットケープ。
正統派ヒーロー物語であることには間違いない。
しかし、これがバットマンか。と我が目を疑うのも事実。旧シリーズで、ティム・バートンが「呪われしフリークスの悩める生活」を描き、バートン節ではあるものの、バットマンの無茶苦茶さは、きっちり描ききっていた。
本作のバットマンは、フリークス(すなわち、動物に化けること。本当の意味はちと違うが)である意味については、てきとうにあしらわれていて、あーだ、こーだと、ブルースがバットマンになる理屈は述べているものの、だから、つまりなぜ、コウモリのコスプレが必要なのか、説得力がない。その分、まじめに描いた分、損している気がする。
豪華な俳優を布陣したもの、豪華すぎて、使いこなせていない点もマイナス要素。(無駄に豪華(笑))
はたまた、ここまで理屈っぽいマジメなヒーローを描いておきながら、ニンジャのような紛争をした連中が、”不況”という武器を使って、ゴッサムシティを襲い、とどめは、気が狂う薬をばらまくために、水道の水を蒸発させる、というのも、何ともよくわからない。
旧作シリーズが、どんどん、おちゃらけものにハマっていき、最終的に、シリーズ打ち切りとなった汚点を挽回しようという気持ちはわかるが、気合ばかりが先行して、なんとなく、すべってしまっているのがつらい。
しかし大ヒットしてまったのであった(笑)