【映画】エレファントマン
製作会社は「ザ・フライ」で、お馴染みのメルブルックス・プロダクション。撮影は、ドラキュラからゾンビまで、フレディ・フランシス。監督は、デビッド・リンチ。
公開当時、難病を患った青年と周囲の人たちの心温まる人情物語のように宣伝され、すっかり涙なしには観ることが叶わないヒューマンドラマのようになってしまったが、「ブレインデッド」「マッドマックス2」「ターミネータ」などの受賞作が名を連ねる、第9回アボリアッツ映画祭で、グランプリを獲得している本作が、ほんとうの意味で「純粋な感動のヒューマンドラマ」なのかは、大いに疑問が残る。
ジョン・ハート演じるJ・メリックは、先天性の奇形をもって生まれ、その外見から、見世物小屋で”飼われていた”
若きアンソニーホプキンス演じる外科医トリーブスは、彼を研究目的で、ロンドン病院に入院させることとなったが、エレファントマンことメリックが、知能的に優れ、芸術に秀で、社交的なことが、わかると、訪れる人も増え、病院内外を問わず、暖かい交流が始まった。
しかし、メリックが望むことは、ただ一つ、ふつうの人間として、ふつうに生活がしたい。
ただそれだけだったのだ。
見世物小屋と病院、カヤの外から考えれば、雲泥の差がありそうな光景だが、なんのことはない、彼エレファントマンが、”見世物”であることには、何の差異もないのだ。
冒頭にも書いたが、
結果として、愛と感動のヒューマンドラマとなっているが、そういう形式をとった”恐怖映画”であることは、疑いの余地がないのである。