★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】スターシップ・トゥルーパーズ

f:id:tsuchinoko118:20120204055442j:image:left:w220タカ派風味の監督ポール・バーホーベンと、ロボコップをコマ撮りしていた職人フィル・ティペットの、大枚をはたいた超大作の”B級SF”作品。
原作「宇宙の戦士」ハインライン作品を下敷きに、やりたい放題やってみたという感じの快作(怪作)に仕上がっている。

遠い未来・極端に軍国主義化した地球。ジョニーは女の子にモテたい、という理由で、親の反対を押し切り、軍隊に入隊。きびしい教育課程をすごす。そんなある日、はるかかなたの別太陽系から”バグズ”の放った隕石爆弾が、ジョニーの故郷に。両親と故郷を失ったジョニーは、ラズチャック・ラフネックス(愚連隊)の仲間とともに、宇宙戦場へ赴く。

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まず、そのSFXに驚く。
宇宙戦争はもちろん、大量の”バグズ”との肉弾戦シーンは、丁寧なつくりには、まったく閉口。その美しさに舌をまく。B級といっていいのか、どうか、超一流のA級SF大作並みの気合の入りようである。

次に、その残虐性に驚く。
かっこいい宇宙戦争=子供向け、というようなことは全く無視。脳みそ、ふきとばして、血しぶきドバー。人体まっぷたつ、血しぶきドバー。死体が、ごろごろ。流れる血、飛び散る血。血、血、血。死体、死体、死体。はっきり言って、こんなグロイ人体破壊のオンパレードなSF大作は、はじめて見た。

さらに、バーホーベン節に驚く。
戦争(集団主義)を根底から、バカにしたような演出。例のごとく、ニュース放送を多用しているのだが、マジメなのか、バカにしているのか、痛快バーホーベン節炸裂である。(このニュースアナウンスの小馬鹿にしたような時事ネタノリは、エド・ニューマイヤー節でもある)

原作では「パワードスーツ」と呼ばれる、国産ロボットアニメでおなじみのものが登場し、主人公は、それを身につけ(搭乗して)、敵と宇宙戦を繰り広げるのだが、本作では、ほとんど生身。簡素な防弾チョッキに、これまた簡素なヘルメット。機械といえば手に持って発射する手動操作の武器だけで、ほぼ無防備な状態で敵に挑む。しかも、青春喜劇の様相で、物語がすすんでいく。

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はっきりいって、宇宙で血しぶきと爆発を描いただけ、という、気のふれた暴力映画であるが、そこはバーホベン。一応、エンターティメントの体を、なしている。が、しかし、バーホーベン。どこまでも、大金をかけても、やはりB級テイストなのだ。