【映画】マッドマックス2 The road warrior
米国公開時は、マッドマックス2ではなく、ロード・ウォリアー。まさしく道路の戦士だ。
1作目で家族を失い、そのまま荒野をさまようマックスは、ジャイロコプターに乗り回す男ジャイロキャプテンと出会い、タイヤとバスで作られた要塞に閉じこもりガソリンを精製するグループと出会う。
そこに、現れる暴走族。ガソリンに群がるアリのように、要塞に執拗な攻撃を仕掛ける。目的は、ガソリンを奪う、ことだ。
要塞から脱出する計画を建てていたグループに、マックスが声をかける「話してみな」
あいかわらずの迫力ある撮影、カーアクションだが、なんといっても、その世界観の異様さは突出している。
いちおう近未来ということだが、アメフトの肩パッドに、モヒカン、改造車、改造バイクに、腕に取り付けられたゴーガン。タイヤと古びた機械で作られたサイバーパンクの様相をも見せつける要塞。1作目で足を撃たれたマックスも、ギプスがわりに、鋼の棒をとりつけている。
どこから、こういう発想が出てくるのか。ともかく本作後、あらゆる方面で、真似されることになる。(日本の”北斗の拳”は、あまりに有名)
バイオレンスカーアクションに異様な世界観というと、相当、マニアックな気がするが、ストーリーは勧善懲悪の形をとっていて、わかりやすい。主人公マックスは、まさしくヒーローなのだ。しかし、おもしろいことに、「マッド」となった、マックス・ルカタンスキーさんは、この作品中、セリフはわずか17回程度だそうな。当時25歳、新型孤高のヒーローとして、メル・ギブソンは一躍著名俳優の仲間入りをする。
いちおう敵は「暴走族」ということになってるが、これは「暴走族」なのだろうか。街の違法改造車の集いが、珍走団と呼ばれるように、滑稽に見えるほどに、本作の「暴走族」は、非常に暴力的で悪質、己の欲望を自己中心的に栄養とする獣のような集団なのだった。
いやはや、いまだにオールタイムな1本。