★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】デスノート

f:id:tsuchinoko118:20121020170325j:image:left:w380少年マンガ雑誌に連載され、短期間だったわりには、社会現象化した「デスノート」が実写映画化されたのは2006年。もう6年も前のことだ。
法律を勉強する学生の夜神月(ヤガミライト)=藤原竜也はある夜黒いノートを拾う。死神の力の一部がある「デスノート」だ。デスノートに、人の名前を書くと、その人が心臓麻痺を起こして死んでしまう。月(ライト)は「デスノート」を使って、法律では裁けない犯罪者を断罪し、次々と殺していく。
世間では、それを「裁き」と呼び、Killerをもじった「キラ」という仮称で、正義の裁きと呼ばれた。キラを神として崇めるものも出始めた。
警察は妙な連続殺人事件として月の父である総一郎を頭に対策室を設置、そこには世界的名探偵L(エル)=松山ケンイチがいた。キラこと夜神月とLの頭脳戦が始まった。

物語が、主に社会にのさばる悪を裁くというキラのスタンスを主軸にしていることもあって、この裁きが正義なのか悪なのかという問いかけになっているような気がするが、「死神」が登場し、その力を借りて殺している以上は、裁きうんぬん、正義うんぬんではなく、単なる呪術を現代風にしただけだと筆者は眺めていたりした。
つまり、頭にろうそくの火を灯し丑三つ時に神社でわら人形を打ち付ける、かわりに、黒いノートに名前を書く、ということだと考えたわけだ。
ともかく人を殺していることには変わりが無く、その理由が非常に月(ライト)の独善的な考え方によっていることから”セカイ系”とも本作は呼ばれていた。
映画ではキラの裁きがあることで、犯罪が減ったと叫ぶ群衆が登場しているが、日本の現実から見れば遠い昔から死刑があっても、凶悪な殺人事件や犯罪は多発しているわけで、こうした圧倒的な呪術での殺人が脅迫や抑止力になることはないのが現実というものだが、そこからして”セカイ系”とも呼ばれてしまうのだろう。

f:id:tsuchinoko118:20121020170345j:image:right:w280作品中でも、最初はやれ正義だ犯罪者をなくすだ社会を浄化するだ、うさんくさいテーゼが出てくるものの、途中からは、Lからいかにして逃げるか、Lを先に殺すにはどうすればいいかと、ゲーム感覚での頭脳戦で、最優先は「まず自分の保身」だったりする。

そういう意味で言えば、金子修介監督が言う「月もLも考え方が子ども」というのは言い得て妙だ。

f:id:tsuchinoko118:20121020170402j:image:left:w230ちょうど光市母子殺害事件の差し戻し裁判が世間でずいぶんと話題になっていたことも手伝ってか、本作は大ヒット。後編の The Last Name 公開後スピンオフ作品として Lを主人公とした L Change the World も製作された。

前編デスノートでは、月が、保身のため(自分の思う新世界をつくるには自分は捕まっても死んでも都合が悪いという保身)正義の名のもとに、自分の恋人を殺すところで”後編に続く”。