★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】ソウ2

f:id:tsuchinoko118:20111015081515j:image:left:w220ソリッド・シチュエーション・ホラー(状況設定恐怖)と銘打って、低予算ながら大ヒットした前作「ソウ」の続編である。

ハリウッドしてるな〜という感じの、あっという間の二番煎じ「2」の製作、発表、公開。手抜きの劣悪な作品になるのは、いつものことで、エクソシスト、13日の金曜日、ブレアウイッチプロジェクトなどなど、数え上げたらキリがない。

ところがである。
本作「ソウ2」は、ちょうど、スターウォーズの続編、帝国の逆襲のように、画面カラーは一致してるわ、全体をつつみこむシチュエーションも前作を踏襲して、予算があがった分さらにパワーアップ。

f:id:tsuchinoko118:20111015081516j:image:right:w220悪く言えば、アービン・カーシュナーのごとき、手堅く、かつ冒険心のない、こじんまりとしたまとまり具合なのであるが、2作目にふさわしい良質の作品に仕上がっていた。

前作登場のナゾのシリアルキラー・ジグソウは、本編最初から、いきなり登場し、最後まで登場しつづける。

前作で、ジグソウが、いったいどこのどいつで、何が目的で、こんなことをするのかが、明らかになってしまっているので、堂々と、開き直っての最初から登場である。(クレジットでもキャストのトップは、ジグソウである。本作からは”主役”なのだ)

f:id:tsuchinoko118:20111015081512j:image:left:w220キャストは、ジグソウを追う女刑事の役どころで、ディナ・メイヤーも再登場。唯一の生き残りアマンダも再び”被害者”として再登場。

小さな小部屋に閉じ込められた男女8人。その最年少の少年は、ある刑事の子供だった。
子供の父親は、ジグソウを追い詰めた暴力刑事。
さあ、ゲームを始めよう。ルールは簡単。
ジグソウは暴力刑事に語りかける。
「2時間、わたしと話せば、子供は助かる」

前作から予算がアップした分、その殺戮シーンなどはパワーアップ。足をノコギリで、チョンぎったりはしないが、同様の生理的に嫌悪すべきシーンは、いまどきのスプラッターホラーにはないアイデア重視のものが多用され好感がもてる。

また、肝心のラストも、前作の、ひっくりかえりまくりのエンディングに匹敵するほど、ひっくりかえりまくりで、ええ!あ、そうか!と、よくよく、落ち着いて考えてみれば、すぐに想像できるはずのラストに「やられた」と。。。アゲイン。

2作目・続編として、類をみないほど秀逸のでき。
前作を踏襲しつつも、よくぞここまで。
そして「ジグソウ」を前面に配置したことで、「ジグソウ vs 社会」「ジグソウ vs 警察」の図式もできあがり、はたまた、「ジグソウ」の暗黒の心のナゾが浮かび上がり、がぜん、面白くなった。

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当時「しかし、3作目にも、続くのだろうか。どうせなら、とことん続けてもらいたい。 」と吐露していたが、きっちり、毎年毎年新作がつくられるほどの大ヒットとなった。

1作目で最初から最後まで床に寝そべっていただけのジグソウだったが、本作では、赤と黒のマントをまとい、見るからにあやしい。演じたトビン・ベルの、ぼそぼそとつぶやく、しゃがれ声も見事なハマリ具合で、またたく間にトビン・ベルの名が世界に広まった彼の出世作であり代表作でもある。