★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】ブレア・ウィッチ・プロジェクト

f:id:tsuchinoko118:20110810082418j:image:left:w220卒業制作と銘打って、魔女伝説のドキュメンタリーをブレアの森へ出かけた3人の学生は、撮影した何本かのフィルムだけを残して、忽然と姿を消す。

残されたフィルムを公開するという設定で、一人称の視点で、手持ちカメラ映像(Point of View = POV)が、延々つづく。

実際に起こった事件という”設定”で、”行方不明”や、”ブレアの森の魔女伝説”のWEBサイトを立ち上げたり、と、映画そのものとは、とくに関係のないメディアでの”ニセ事実報道”が功を奏して、大ヒットを記録した。

こうした映画を「モキュメンタリー」という。「モック(はりぼて)」と「ドキュメンタリー」の合成語(かばん言葉)で、エセ・ドキュメントである。

POV映像とモキュメント。うまい具合の掛け合わせで”超低予算作品の快挙”と、もてはやされた作品でもある。

さて、問題はこのブレまくり電源スイッチのオンオフ、雑な編集(もちろん”わざと”なのだが)が、”「映画」なのか”という部分。

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森の中を3人が探検し、恐怖し、叫び声をあげ、逃げ惑う。スティックマン、積み上げられた石、不気味な音、なぞの廃屋。。それらしいものは、いくつか登場するが、思わせぶりなだけで、ストーリーらしいストーリーもないし、恐怖の真相が明らかになるわけでもない。たった一つでも、何か発見があり、解決するのかといえば、それもない。ただただ、延々と、POVの探検シーンと、役者の阿鼻叫喚の演技が続くだけである。

なんというか一般の人が、お化け屋敷の中で友人を撮影している感じ。

映画という”道具”をつかった新しい、悪ふざけ、と言ったほうがいいのかも知れないのが、本作だ。


一言でいえば、映画としてはサッパリだ(笑)
おもしろくともなんもない。


後日発売されたDVDには、特典として、このエセ事件を取り上げ、それこそ、まじめに、調査・レポートしているエセ・ドキュメンタリー「ブレアの魔女の呪い」が収録されている。

ブレアの魔女伝説、幼女行方不明事件、コフィンロックでの猟奇殺人事件、ラスティンパーの連続誘拐殺人事件などなど、実際にあった事件を題材にした高品質の、エセ・ドキュメンタリーである。

はっきりいって、こっちのほうが、モキュメンタリーとして完成度が高く、だんぜんおもしろい(笑)