★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【IT】SIMフリーなスマホ Zenfone 2 laser

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久しぶりに本格的な Androidアプリの開発のご依頼があったので、新しく Androidスマホを購入することに。以前よりいわゆる”格安スマホ”と呼ばれる MVNO も気になっていたので 今回は SIMフリーな スマホ ASUS Zenfon2 laser を購入することにしました。

【SIMフリー】従前は携帯電話とはキャリア(Docomo,Softbank,au)が販売しており、携帯電話はキャリアから買うもの、という認識が(とくに日本では)ありましたが、本来、キャリアは通信事業者で通信回線を貸すサービスが主な事業ですので、電話機本体を販売する事業はオマケのようなものです。しかし実際はキャリアのみが電話機本体を販売しており、しかも、その電話機本体は、購入したキャリアでしか使えません。Docomoで買ったスマホDocomoでしか使えず、au では使えない。auで使うなら Docomoで買ったスマホは破棄して、auで新たに購入しなくてはいけません。こうしたことを実現しているのが SIMロックと呼ばれる機構です。電話機本体が通信できるようにするための ICカード=SIM にロック(鍵)をかけて他のキャリアでは使えないようにしているわけですね。これに対して、ロック(鍵)をかけずに、SIMさえ差し込めば、どこのキャリアでも使えますよ、というのが SIMフリーで、最近日本でも大変よく見かけるようになりました。SIMフリー機は、キャリアの縛り=ロックがないので、メーカーが直接販売していたりします。スマホスマホ、通信は通信、と、分けているところが特徴ですね。

【MVNO】通信回線の方も、これまではキャリア(Docomo,Softbank,au)ぐらいしか電話やデータ通信は提供してこなかった感のある日本ですが、キャリアの持つ無線通信のインフラを貸し出すようになり 21世紀初頭から、その借り受けた通信網でキャリアと同等のサービスが開始されました。無線通信の設備を保有しないため、キャリアの画一的になりがちな通信サービスに比べて、例えば”格安”のようなサービスを打ち出すことが出来るのが特徴で、今では非常に多くの MVNO事業者が出現しています。

そんなわけで、「Docomoスマホ」「Softbankスマホ」「auスマホ」だったものが、「スマホ本体は ASUSで、通信は OCNモバイルONE 」「スマホ本体は SHARPAQUOS で、通信は Docomo」といった感じになってきています。

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そこで今回はMVNO事業者は「OCNモバイルONE」、スマホ本体は「ASUS Zenfone2laser 」を選択。なぜこれなのかという理由はとくにありません(笑)面倒だったので、セットでお得なのがないかネットで検索していたところ、この2つのセットが QUOカード2000円付で販売されていたので、これにしました。

利用の用途としては「日々の通話」ではなく「インターネットの利用などデータ通信」がメイン(なにしろ開発目的なので)で、一月あたりのデータパケット量が多く、比較的安定してそうな、という条件はあります(この点で FREETELもよかったのですが、なぜかスマホ本体が売り切れまくりで・・・人気があるのでしょうね)し、現在 Softbank + iPhone6plus なので、来年にコレ(SIMフリー+MVNO)に移行しようと企んでいる事情もあったりします。

ともかく申し込むと数日で、本体と OCNモバイルONE の申し込み書が届きます。いきなりSIMカードが届くわけではなく、ネットから申し込みます。これは利用するクレジットカードの登録や、MNP(電話番号の引っ越し)なのか、新規なのか、いろいろと条件がありますので、これをネットで設定するわけです。

もうしばらく待つと、SIMカードが届きます。説明書に従って「手袋をつけなさい」のところだけ無視して、力技で SIMカードを切り取ります。

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これが SIMカード

これを本体 ASUS Zenfone 2 laser に差し込むわけです。

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Zenfone 2 laser の縁にあるヘコミに、爪を押し込んで、割れそう壊れそうな感じを無視して、えいやと開きます。

f:id:tsuchinoko118:20150923073930j:plain開くと、2つの SIMカードを入れるソケットがあるので(この機種 ダブルSIMなんですね)どちらでもいいので SIMカードを差し込みます。

まず、バッテリーを強引に外して、右のソケットにSIMカードを・・・(右がNo.1、左がNo.2なので)

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SIMカードには docomo と書かれていますね。少なくとも OCNモバイルONEの通信品質は docomoです。

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ついでに SDカードも入れて、バッテリーを元に戻して、フタを締めます。

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電源スイッチをONすると・・・

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android (最近はドロイド君出てこないんですね) が起動します。OCN モバイルONE と Zenfone2laser の場合は、設定関係は、ほぼ自動なので、電源ONするだけで、もう電話として使えます。

電話をしてみるとわかりますが、MVNO は OCNモバイルONE でも、SIM1 DOCOMO とか表示されていますので MVNO事業者が いわゆるキャリア=Docomoの回線を使っていることがわかります。

こうなってくると、以前は、(例えば)ドコモの・・・と言えば、Docomoの通信サービス、Docomoが販売している機種など、いろいろな意味がワンパックになっていましたが、これからは、通信回線は通信回線、本体は本体、サービス内容はサービス内容と細かく分かれてくることになってしまいます。

さて、ここまで来て、今の iPhone6 + Softbank と、金額面で比較してみました。なんと半額以下。個人的には iPhone は最近の iOSでのiTunes の変化についていけず、Android の性能もずいぶんと上がり、さらには Windows 10 Phoneも、と、もはや iPhone である意味がなくなってきています(個人的に、そう思ってるということですが)。

キャリアも、一番最初に買ったのが「デジタルツーカーツーカーホン)」で、そのまんま「J-PHONE」で、そのまんま「VODAFONE」で、気がつくと自動的に「SoftBank」だったので、これというこだわりはありません(笑)なんだって構わないという(笑)

スマホも、10年ほど前 iPod nano を買おうと思っていた頃、フルブラウザでPCのメールが送受信できて、電話もできて、そこそこ小型というのが iPhone 3 しかなかったので(実は候補として W-ZERO3もありましたが、イマイチ・オシイという理由で流れました)という非常に消極的な理由だったので、こちらもこだわりがありません。

Android では ROOT化できるとか、さまざまな開発者らしい事情で ASUS がお気に入り(笑))

そんなわけで、けっこう軽く、思ったよりもサクサク動く AndroidASUS Zenfone2 laser / 通信品質も価格も問題なしの OCNモバイルONE 。かなりお気に入りです。

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Android も昔( 2.xxの頃 )は、いろいろと問題・課題も多かったですが 4.xx 以降はいいですね。(どうでもいいかも知れませんが USB x 2 とか、なんで出てこないんでしょう)

十分使えます。 ちなみに ASUS Zenfon2 laser は、無線LAN(WiFi)は 2.4GHz専用で、 5GHz はついてません。個人的には必要と思ってないけど、気になる人は「お安い理由」にお気をつけ下さい。

これで個人的には少なくとも来年の iPhone はないですね!

 

【映画】ピクセル

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1982年。パックマンギャラガドンキーコングなどの人気アーケード・ゲームの世界大会が開催された。その様子をビデオに撮ったものがNASAの宇宙ロケットに。地球外生命体へのメッセージというわけだ。

それから30年。当時のゲーマー(アーケーダー)4人。ギャラガの世界チャンピオン・ブレナーは家電店の腕利き職人として働き、あやしい陰謀論を唱え何を言ってるのかわからない自称「ワンダーボーイ」ラドローは相変わらず自宅にひきこもり、ドンキーコングでブレナーを打ち負かした自称「ファイアブラスター」のエディは詐欺師として警察に逮捕監禁され、ブレナーの幼なじみのウィルは歴代大統領の中で最もバカな大統領に就任していた。

ある日のこと、米軍基地が「ギャラガ」に襲撃され、次はイギリスだ、と宣戦布告のメッセージが何者かから届く。30年前、宇宙に送られた”世界ゲーム大会”のビデオを見たエイリアンが「果たし状」だと理解し、どんなものでもピクセルに変えてしまう能力で 80年代のゲームのキャラクターを再現、地球侵略を開始したのだった。

圧倒的科学力に、なすすべのない人類は、30年前のゲーマー(アーケーダー)に全てをたくす。人類の存亡を賭けたゲーマー(アーケーダー)とエイリアンの闘いが始まった。f:id:tsuchinoko118:20150922184324p:plain

主演アダム・サンドラーで、製作が(サンドラーの主催する)ハッピー・マディソンなので、監督が誰であろうと、他の出演者がどうであろうと、脚本が何であろうと、思いっきり「くだらない」作品であろうと、期待していたら、予告編や宣伝では「ピコピコ・オタクが地球を救う」とSF大作の香りが。おそらくはレトロゲームに期待していた人もいるのではないかと思うほどに、まともな超大作と思った方も多いだろう。

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アダム・サンドラーとハッピー・マディソンが、そんな真面目なことをするはずはない。本作は、筆者の期待通りの「よくぞ、ここまで金をかけて、こんなくだらないものを作ったな」的コメディ作品である。

あいかわらず会話の端々に、直接ストーリーと関係のない、どうでもいいようなアメリカン・ジョークが散りばめられ、ひどく冗長。筆者などは、ずっと笑いが止まらなかったが、見る人によっては退屈で退屈で仕方がないかも知れないし、ひょっとするとストーリーがまったくわからなかったかも知れない。

そもそも「ピクセル」というタイトルからもわかるように、ごくごく自然でリアルなグラフィックスを追求してきたCG(VFX)の努力を、あざ笑うかのようなドット絵への逆行。80年代当時の、あのドット絵は、ああいうデザインが流行っていたのではなく、ああしか出来なかったテクノロジーの事情であって、あの時代でさえも、8色から16色、256色、320x240 pixcels から 600x480 pixcels へ 1024x728 pixcels と、あくまでも自然でリアルなグラフィックを追求していたのだ。そうした時代の方向性そのものを、いぶかったような作風には、なかなかついていけない人もいるだろう。

f:id:tsuchinoko118:20150922184418p:plain作中の台詞でも、今のゲームには味がなく単調で残虐だと否定的な会話もあり、単に「ゲーム」「オタク」賛美ではないところも、興ざめする=観客を否定するような演出で、筆者は大笑いであった。(かといって、もちろん、懐古主義というわけでもないのだが。)このあたりのセンスは、いかにもアダム・サンドラーで、毎度のことながらアダム・サンドラー作品は観客を選ぶ。賛否両論がうずまき、その極端なこと極端なこと。話しは有って無いようなものではあるが、本作は、そうした「思想」そのものを小馬鹿にもしている。結局、能なし中年も、バカ大統領も、犯罪者も、陰謀論を唱えるひきこもりも、意を決して、具体的に行動に出る。そこには、勇気・愛情・自己犠牲がきちんと語られているのである。

本作は「家族で楽しめ、デートで楽しめる、ファミリーSF超大作」ではない。非常にマニアックな、いつものアダム・サンドラー節なのだ。監督が「グレムリン」「ホーム・アローン」「ハリー・ポッター」「ナイト・ミュージアム」のクリス・コロンバスだからと、騙されてはいけない(笑)

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だいたいパックマンの産みの親「岩谷 徹」氏(演じるのはデニス・アキヤマ)を出して「我が子よ・・・」とパックマンに近づき、腕を食われたから「こいつをブチ殺せ!」と、逃げていく・・・なんて演出(脚本)普通じゃ出来ませんよ。

筆者的には大満足。お腹いっぱい。

・・・ということは、やはり、とてもじゃないけどオススメしない映画なんですよね。


映画「ピクセル」予告編 - YouTube

【映画】猫侍 南の島へ行く

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”まだら鬼”の異名をもつ剣豪・元加賀藩剣術指南役の班目久太郎は、わけあって今は浪人の身。日々、姑にイビられている。

ある日のこと、土佐藩の剣術指南役になり勤めを果たせば加賀藩の剣術指南役に戻れるかも、という話が持ち上がり、久太郎は、愛猫「玉之氶」とともに、土佐へ向かうことになった。

意気揚々と旅に出る久太郎と玉之氶だったが、途中、物盗りの忍者と戦い、土佐行きの船に乗り遅れてしまう。慌てた久太郎は、あやしい男に土佐までの船を頼むが、実はレンタル小舟で、自力で海を渡る羽目に。嵐に遭遇し、クジラに飲み込まれ、気がつくと、ある島の海岸に漂着。

しかしそこは土佐ではなく、言葉も通じない土着の民族の住む南の島であった。

白猫「玉之氶」は”猫神様”として祀られ、久太郎は投獄される。実は、海賊が島の宝を狙って攻めてくることから守る為、”猫神様”による守護を期待していたのだった。 見知らぬ南の島で、土着の民族、海賊、そして玉之氶と久太郎のドタバタ奇譚が繰り広げられる。

白猫アナゴ(さくら)=玉之氶の可愛さと、北村一輝演ずる「怖い顔」の「朴念仁」の浪人・剣豪”まだら鬼”こと班目久太郎のカルチャーギャップを描く動物ものコメディ「猫侍」。続編として製作された「猫侍2」の両テレビシリーズのスピンオフというか、続編というのか、ともかく劇場版「猫侍」の2作目である。

ポスターには「さらばサムライ」と”最終回”のようなコピーが入っているが、ずいぶんなコメディなので、深く考えない方がよい(笑)

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あいかわらずの「ゆるい」ギャグ満載で、いかにも猫侍らしい作品であったが、よくよく考えると、一応「時代劇」だったはずなのだが、本作は、とてもではないが「時代劇」とは言えない”南の島”が舞台。登場するキャラクターも(最初と最後に班目一家と武家屋敷が出てくるが)、久太郎以外は、土着民族と和洋折衷の海賊だけ。

話の内容も、土着民族のアニミズム(あるいはシャーマニズムか)で、”時代劇に猫”、”猫と強面の侍”というギャップの部分は皆無であった。

この点、テレビシリーズ「猫侍」「猫侍2」と、劇場版「猫侍」の3作品と本作は決定的に異なる。筆者個人としては、時代劇のという部分は残して欲しかったが、それでも、3作品と比べると、猫そのもの=玉之氶そのものが主人公に据えられている点は評価が高い。しかしながらこのあたりは好みが分かれるところではあろう。

演出面では「いつもの時代劇の」ではないだけで、その”ゆるい”世界は健在。猫の行動のカルチャギャップ以外にも、土着民族が日本語で早口言葉を唱える(けれど、ちゃんと言えてない(笑))、忍者が分身の術を使うも玉之氶が擦り寄り一瞬でバレるなど、ニヤリと笑える演出が多数、ひとことでいえば、面白い。

北村一輝をはじめとする、いつものレギュラー陣も、しっかりハマっていたし、土着民族を演じる面々も、日本人のようであり現地の方のようであり、微妙なところが良かった。ただ Lilico演ずる女海賊だけは、非常に場違いで、色仕掛けや仰々しい演技など、ちょっと邪魔だったかな。どうせなら、蜂谷孫三郎が「名刀・小銀次」をチラつかせて海賊になっていた方が面白かったのに(笑)

 

そして最後のエンディング。大団円のそのあとは、どこかで聴いたことのあるイントロが・・・・ うわ!”黒いから”違和感なくて気がつかなかった!

松崎しげるの「愛のメモリー 猫侍バージョン」。

どこまでいっても、ふざけている”ゆるい”動物もの。楽しめました。

 


映画『猫侍 南の島へ行く』予告編 - YouTube

【PC】ACSES JDC3 SDC-VAN/NEC C&C-VAN/MEDICODE-WS / 請求データにも対応

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ジェネリック医薬品の台頭が著しい昨今。お薬を購入する方は、あまり気にしていないかも知れませんが、2015年7月に、こっそりと大きな変更がありました。

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これまでは 13桁のバーコード「JAN」がパッケージに印刷されていましたが、これからは 14桁+αのバーコード「GS1-RSS」が印刷されます。

この変更については、医薬品の取り違え事故防止やトレーサビリティの観点から変更ということになっていて、商品(薬)そのものを表す商品コードと、他に有効期限やロット番号(製造番号)も印刷・表示できることになっています。

しかしながら実運用の世界では、商品コードがただ、1桁増えただけ、というのが実情で、これは、医薬品の流通システムの都合、みたいなところがあります。

医薬品メーカーと卸の間では主に「JD-NET」というEDIシステムが利用され、昨年第6次システムと大きく変更されました。でも薬の流通には JANコード(または統一コード)がそのまま使われることになり、GS1-RSSへの対応はどうなるのかと言えば、検討課題とする、にとどまりました。

また、卸と医療機関・調剤薬局の間では MEDICODE(富士通FIP-VAN)、SDC-VAN、NEC C&C VANという EDIシステムが利用され、一応 14桁の商品コード( GS1-RSSとは言わないで GTIN と言います)に対応はしていますが GS1-RSSが歌う有効期限やロット番号については、従来通り、ほぼ手入力に、とどまっています。

とくにジェネリック医薬品では、厚労省の後押しもあり取引数量は増大傾向ではあるものの、逆に薬価は下がる一方で、取り扱う業者や店舗にとっては、手間は増えるばかり。大きなシステム変更は勘弁願いたいという本音があるのかも知れません。

ともかく、結果として JANコード印刷から、GS1-RSSコード印刷に変わったことで、商品コードが1桁増えただけ、というのが実情ではあります。

 

医薬品のコードは、もともと JAN、統一コード、HOT(9/13)、YJ、レセプト電算、薬価収載(厚労省)と、1つの商品を表現するのに、ものすごくたくさんのコード番号が存在します。ここに GTIN(GS1-RSS)が、さらに増えた・・・・わけです。

結果として、ただ事務手間が増えただけ、という感は否めません。

 

手間が増えるだけ・・・で、本当に手間が増えるだけでは困りますので、医薬品流通の現場では、急速に、コンピューターシステム化や、医薬品流通EDIの導入が進んでいます。これまで、紙の納品書で行っていた取引が、MEDICODE でないとダメ、これまで電話や専用ソフトで注文していたものが JD-NETでないとダメ。ここ数年で、半ば強制的ともいえる合理化の波が押し寄せています。

 

とはいえ、医薬品に関連するコンピューターシステムは、やたらめったら高額体質。おいそれと、システム導入・システム入替するわけにはいかない。難しい。という実情があります。

 

そこで登場したのが「JD-NET CONVERTER 3」。

もともとJD-NET専用だったため、名残で、こんな名前ですが(笑)

JD-NETはもとより MEDICODE,SDC-VAN,NEC C&C VAN にも対応した、医薬品卸向けの「後付け型」ファイルコンバーターシステムです。

後付けなので、今、お使いの基幹業務システムに、追加するだけで 各種VANでのデータ相互通信が可能になるという、優れもの。

社内商品コード、JAN-GTIN(GS1)の自動変換機能も標準搭載されているので、大幅に事務効率をアップします。

 

オプションで入出庫管理、自動発注システムや、薬価自動収集、多種多様なコードへの変換辞書サービス、また、間もなく登場の自動在庫管理システム WebStock など非常に多彩。ドラッグストアチェーンとの請求データなどにも柔軟に対応可能です。

通常のこういったシステムの10分の1程度の導入コストというのも大きな魅力の一つです。

 

かゆいところに手が届く。

今後もますます機能拡張し、すべての流通経路を接続できればと願っています。

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JD-NETCONVERTER 3 についてくわしくは

石川県金沢市。中小企業向け各種業務用システム開発の(株)NJC

↑こちら 

【さろん6】理容室や美容院の顧客管理(理美容院に効く話)

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多くの理・美容院は、カルテで顧客の管理を行っている。 電子カルテなどのシステムも多数販売されているが、とくに小規模の美容院では、なかなか手が届く価格帯でもないこともあってか、実際に電子カルテのシステムを利用しているところは、わりと少ない。

また、フロント業務のシステムも、多数販売されており、こちらは、主に予約の管理などに利用できるが、こちらも高額のものが多く、利用しているところはあまりない。 

また昨今では「無料」を歌うクラウド型のシステムも台頭してきたが、ちょっとDMを出そうとすると毎月数千円(年間にすると数万円)や、高額のホームページを利用するのが条件だったりと、結局は非常に高額になることが多い。

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使い勝手の面においても、画像を一枚づつ選択してアップロードする、予約に担当スタッフや施術内容、施術時間を入力するなど、非常に使い勝手の面で手間がかかるものが多い。あるいは単純な記録帳になっているもの=抽出・分析・DMは出来ないようなものもよく見かける。

 膨大な数のカルテは、やはり整理したいし、キャンペーン広告・DMや、お誕生カードなど、営業・販促面でも活用したい。 よく聞く電子カルテのシステムは、まず高額。それに、したいことができるのか、あるいは、使いこなせるのか、といった不安もある。 理容院・美容院でも、悩んでいるのである。(たぶん) 最近のことなので、機械音痴だと仮に自称していたとしても、パソコンはある。インターネットも使うし、お店でつかう薬剤の発注などにも、使っていらっしゃる ようだ。

しかし、こと、顧客管理になると、エクセルの住所録か、あるいは、筆なんとかなどのハガキ印刷ソフトで、やはり住所録管理をしている程度だったり する。 たまにコンピューターショップに出かけ、ソフトを見てみるのだが、やはり大事な機能が足りない(ような気もして)なかなか手が出ないようだ。

この理由は、理・美容院の仕事の特殊性にある。 お店、で、営業をしているのだが、ものを売ってる、というよりは、人の技術を売っており、サービスを商いのメインに据えている。 また、髪を扱う特性上、何ヶ月かに1度、訪れるお客様、という「ペース」がある。このため、とにかく新規のお客様を呼び込み、売ればよい、というものでもないので、日々の売上管理は必要だが、それだけでは、あまり意味はなく、やはり、顧客情報との関連付けが欲しくなる。

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カルテでは、たしかに、いつおいでになったか、は、各々の顧客単位では把握できるが、時系列になると、なかなか把握できない。 ○○さんが、7月1日に来たことはわかるが、6月3日にどのお客様が来たのか、となると、よくわからない。 このことは、お店の客離れ=失客が、よくわからない、ということである。 お客様は浮気でもあるし、近所に新しい店(とくに大手・中堅)が来ると、そちらに行ってしまうかも知れない。仮に、カルテが1000枚あったとしても、現在の顧客数がそのまま1000人かというと、失客があるので、実際には、もっと少ないわけだ。 では失客は、どうやってわかるのかといえば、仮に3か月ペースでおいでになっていたお客様が、突然、来なくなった、ということでわかる。 つまり、前に来店された日から3か月経過すると、「そろそろ来そうだ」ということになり、4か月目になれば、「あれれ、おかしいな」ということになり、半年来なければ、引っ越した、他のお店にいった、などで、はじめて失客だと、わかることになる。

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膨大なカルテや、一般的な住所録管理、売上管理ソフトでは、この「失客」を把握することは、できない。 失客は、お店の売上に、大きな影響がある。 もし、失客があれば、お店は、なんらかの反省をしたり、なんらかの販促をしたり、と、熱心に対策を行うわけではあるが、「失客」を把握するのは、手、エクセル、ハガキ作成ソフトでは大変そうだ。 また、逆に、もし「失客」が把握できるのなら、次回の来店の予想もできる。そして、だいたいの売上平均から、売上の予測もできることになる。 さらに、新しいお客様がおいでになれば、次回もおいでになっていただきたいわけで、それも知りたい。つまり、新規のお客様が、再来店することなく「失客」になっていないか、というようなことだ。 そういう意味では、一般的に知名度のある理・美容院用のシステムは、方向性がニーズやウォンツに合っているのか、どうか、いつも気になる。 筆者が、いくつかの美容院でお話を伺っても、そういうシステムの話になると、「求めているものと違う」「したいことができない」「値段が高い」「私どもは、 髪を触るのが仕事であって、キーボードを叩くのは仕事ではない(簡潔に欲しい情報だけを入出力したい)」など、コンピューターシステムの側からすると、耳 の痛い話ばかりである。

そんな美容院の現場から、NJC Salon Manager というシステムは産まれた。実際に多くの理美容院・整体やマッサージ店様に使っていただき、ご意見を伺いながら バージョンアップを繰り返してきたところ、 7年ほど前に発売した Ver4 は ずいぶんと好評をいただき、2011年に発売した Ver5 は、さらに好評を得て、日本一人気のあるソフトになってしまった。おかげさまで感謝。そして昨年 Ver6 は、電話がなると顧客カルテが自動でポップアップする CTI 機能も標準で装備し、好評を博している。感謝。 やりたいことが出来る。 価格が安い。 シンプルで使いやすい。 「紙」のカルテを完全に電子カルテに。 パソコンになれてくると予約もパソコンで管理したい。 POSレジを自由に構築したい。 さらに分析をしたいのでエクセルに出力してほしい。 ハガキやタックシールにもっと汎用性が欲しい。 どのようなものかは http://salonmanager.jp で。 基本的な売上管理と顧客管理部分は、FREE(無料)として解放されている。 価格は、FREE版が0円(CTIなし、サポートなし:30日間)

また先日、新規性や独自性があり、とくに優秀として「プレミアム石川ブランド」というものに認定をされた。認定を記念して、どう考えてもお得な CTIアダプタのセットもご用意。この機会にぜひ。

NJC Salon Manager Ver6 CTIセット 石川ブランドバージョン

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【仕事】キャップレス・デシモ(万年筆)

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若かりし頃、二輪車で転倒して以来、手首に力が入らず、時々、持っているものを落としてしまうことがある。昨年、自転車で転倒して右手首を骨折してからは、ボールペンを握って文字を書くことさえ、まともにできないときがある。リハビリの甲斐あって、最近は小康状態であるが、それでも筆記具を握って、紙に文字を書くことが大変だったりする。

パソコンやスマホがあり、最近では文字を書かなくても済みそうなライフスタイルも可能だが、「書く」という行為そのものが、記憶になり、思考になり、理解となり発想となるので(IT業界にありながら、いささか古い思考なのかも知れないけれど)ともかくメモを取る、紙に書いて考えることにしている。

さて、困ったのは、とくに昨年の骨折と予後で、油性ボールペンだと、そもそも筆圧がなく字が書けない、水性ゲルインクのボールペンでも30文字ほど書いたら、痛くて疲れて指さえ動かないことがあったことだ。

そこで、ほぼ「筆」な、万年筆を使うことにした。

もともと80年代女子の文具オタク出身なので(笑)高級筆記具である万年筆は好きだったのだが日常的に愛用するまでは使ったことがなかった。万年筆のよいところは、スタイリッシュだとか、雰囲気とか、その手のファッション以外に、筆圧がさほどいらないところが良いところだ。

墨と硯の「筆」と、いい勝負で、毛細管現象で書くため、紙に強く押しつける必要がない。軽く、なでるように、紙の上をすべらせるだけで、文字どおり「さらさら」と書けるのだ。

ただし、万年筆は、インクが乾かないように、くるくる回すキャップがあり・・・・あれが、面倒くさい面がある。(もちろん、さあ書くぞみたいなときはいいのだろうけれど、日常使いで骨折した腕でキャップを強くつまんで回すのは、とても大変なのだ)

そこで「キャップレス」=ノック式の万年筆を使うことにした。

細身で持ちやすいパイロットの「デシモ」。

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普段は、こんな感じで、ペン先が収納され(隠れて)見えない。これでペン先のインクが乾くのを防いでいる。

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背中のノック式ボールペンのようなボタン。これを押すと(指で押さなくても、机に押し付けても(笑))・・・・

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ペン先が出てきて、すぐに万年筆として使うことができる。

・・・という優れもの。

その機構から、最初は「インクが乾くんじゃないか」「漏れるんじゃないか」などなど、非常に多くの心配をしたが、その機構は伊達ではなく、骨折が一応完治した今でも愛用しているくらいに実用的なのだった。

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インクは、カートリッジ式(使い捨て)も使えるが、筆者はCON-50 のコンバーターを愛用している。万年筆用のインクにコンバーターのついたペン先ごと浸けて、くりくりっと回すとインクが吸い上がる=補給される。なんどか繰り返すと、ペン先のゴミの掃除にもなったりするので、手入れが楽だということもある。

一度補充すると、朝から晩まで書いていれば2日ほどでなくなるようだが、筆者の使い方だと、2〜3週間は持つ。

ボールペンに比べ、高額だし、また、手入れも面倒・・・ではあるが、さらさらっとした書き味、筆圧不要で、手が疲れない。何にも変えがたいメリットだ。

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使うとすぐ気づくが、もうひとつ、面倒くさいことがある。

写真は筆者のノート(システム手帳)。左にピンクのインデックスシートのようなものがあるが、これは、吸取り紙(笑)

そう。万年筆のインクは水性なので、乾くまでに触ると・・・・

ティッシュでもいいが、ともかく、書いた後、しばらくおいて乾くまで待つか、または吸取り紙などで余分なインクを吸い取らないと、無残なことになってしまうのだった。

当然ながら、裏写りもある。

よく売られているシステム手帳の紙だと、薄いこともあり、すぐに裏まで写ってしまう。

また万年筆のペン先が引っかかるものもあったりする。

筆者は、エトランジェ ディ コスタリカの方眼を使っている。これがなんと、万年筆と相性がよいようで、書き味もなめらか、裏写りもなく、乾くのも早い。

で、ピンクの吸取り紙。

当然ながら、書いたあとのメモは、くっきり真っ黒で非常に見やすく、また、下敷きがあってもなくても、次ページに書いたあとが残るというようなことがない。また手も全然疲れない。思考に専念できるのだった。

 

書かなくても済むスマホ、書かなくても済むパソコン。便利な道具はあれど、書くということはとても大事。書かないと「薔薇」とか書けなくなっちゃう(笑)のはもちろん、考えること、そのものの能力が低下してしまいそう。いやほんと。IT業界に臨在し、本当にそう思います。

筆者が愛用しているキャップレス・デシモ万年筆(パイロット)は、こちらから。

www.pilot.co.jp

同じく筆者が愛用しているシステム手帳用の用紙、エトランジェコスタリカ方眼はこちらから。

www.amazon.co.jp

さらにシステム手帳用のライフ吸取紙は、こちら。

item.rakuten.co.jp

 

ついでに、骨折した時の・・・・(笑)

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 (苦痛に耐えながら脂汗をかいてボールペンで筆記(笑))

 

万年筆で(意外に効率よく)楽しく仕事してみませんか?

【IoT】mbed と 趣味のはんだ付け:プリント基板を手で作る 篇

IoTデバイスは電気回路。つなげば動く。のだけども、電気回路もまた電子部品をつなげば動く。昔はユニバーサル基板やラグ端子板で、せっせと足のついた電子部品を配線・はんだ付けし、ものすごく時間がかかった。昨今ではブレッドボードという非常に便利なものがあり、差すだけで電気回路を構成することができるようになった。

とはいえ、米粒大のチップ部品では、さすがに差すだけ(ってどこに?)は出来ないので、(ユニバーサル基板にはんだ付けをするのもアリだけど)結局は、プリント基板を作ることになる。mbed の道ははるかに遠い(って、そこからかい!)

筆者が昔プリント基板を作る際には、銅箔をはった板に、油性マジックか、レジストテープを貼って、エッチングという作り方しか出来なかったが、当然ながら、米粒大のチップ部品には対応できない。

しかし、今は、けっこう良い道具・材料が揃っていたりするので、昔よりは手軽に基板製作が可能になった。(といっても、ものすごい手間がかかるのは間違いないわけだが(笑))

① フリーのPCBCAD:KiCAD

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回路図は手書きでも何でもよいが、プリント基板を作るとなると、アートワーク出来ないと苦しい。ちまたでは EAGLE(独CadSoft社製) がよく使われている。ただし無償で使えるフリー版では基板の大きさ、層数に限りがあるので、完全フリー/オープンソースKiCAD を使ってみた。

KiCADについては 

kicad.jp | オープンソースのPCB CAD『KiCad』の日本ユーザ コミュニティです。

に詳しい(ダウンロードもできる)

CADはどれもこれも操作性にクセがあり、KiCADもご多分に漏れずクセがある。基本的なところはどれも似たようなものだが、KiCADの場合、Windows OS のファイルシステムやデータベース構造などを理解していないと「これ、ひょっとしてバグ?」というようなところが何カ所もある。とくに、回路図を描く際の部品=モジュールの登録・編集と、PCBアートワーク時のモジュール登録・編集の、アーキテクチャの違いは混乱する(笑)また、EAGLE に比べ、ユーザーが少ないせいなのか、部品のライブラリがインターネット上に、あまり落ちていない。

とはいえ、回路図から出力されるネットリスト(配線の接続構造)から、実際のフットプリントを割り当てることが柔軟に出来ることや、基板の大きさや層数に制限がないなど、よい面もかなりある。

筆者はこれまで回路図は手で描いて・・・しか、やったことがなく(笑)とにもかくにも自動で結線、チェックまでしてくれる”賢さ”に驚いて、最近は KiCADばかり(笑)

ドがつく素人まるだし状態だ(笑)

②KiCADからアートワークを印刷

f:id:tsuchinoko118:20150809065753p:plainCADを使う目的は、エッチング用のアートワークを印刷することにある。

(最近は、データを入稿すれば、基板をオンデマンドで作ってくれるところが、いくつもあるので、CADからデータを基板屋さんに送るのが最大の目的・・・だったりもするが、この話は、また後日)

インクジェットプリンタで、光沢紙(あればOHPフィルム)、高精細、モノクロを指定して、かなりクセのある KiCADの操作パネルを設定し印刷すると、”マジック手書き”や”レジストテープ”では不可能な美しいアートワーク(笑)が印刷される。 

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 印刷する用紙は、サンハヤト社の「感光基板のアートワーク用インクジェットフィルム」。

ただし、このフィルムがものすごいお値段する。おおよそ1枚500円。

インクがすぐ乾く、かなりきれいに印刷される(やってみたら 0.35mmmまでは全然平気、0.2mmあたりまで大丈夫だった)、など、非常によく出来たもので、たしかに「高密度」パターンフィルムが製作可能だ。

しかし高コスト。というわけで、少しでもコストダウンするなら コクヨ OHPフィルム が おすすめ。

試してみたら品質そのものは、あまり変わらない。ただし、乾くまで非常に時間がかかるのと、フィルム同志が粘着してくっついてしまうので、失敗のことを考えると、あまりコストダウンにはならないかも。

 

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③ クイックポジ感光基板

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まず、サンハヤトの粉末現像液をお湯に溶かす。温度計で38℃を確認してキープ。筆者はパッドを2枚重ねにして、下にもお湯をはって温度管理している。うまくいきやすいのは35度~40度あたり。ここをはずすと、現像失敗、エッチングも失敗と、高コストなクイックポジ基板を廃棄してしまうことになるので、厳密に。

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バキュームクランプで、先ほど作ったパターンフィルムと、サンハヤトのクイックポジ感光基板を圧着する。必ずする。これをしないと、パターンがボヤけて、高密度パターンの場合は失敗する。

次に感光基板の説明書にある時間+ちょっとで、紫外線照射。すると、さほど色が変わったとは思われないものが出来上がる。

ここで、特記したいことは、サンハヤトのクイックポジ感光基板を使う時は、サンハヤトのバキュームクランプ、サンハヤトライトボックスを使うこと。というのも、化学反応を利用しているため、自作蛍光灯ライトボックスなどなど別の環境だと、成功する条件=時間などが合わず、とにかく失敗しまくりになるから。ここは大人しく純正で揃えた方がよい。

f:id:tsuchinoko118:20150809072216j:plain筆者も、この高コストをなんとかしようと、富士薬品工業の ポジ型フォトレジスト FPPR #200を試してみたが、とにかく、うまくいかない(笑)感光基板をうまく作れない、ようやく作れたと思ったら、今度は感光時間などが(自作はムラがあるため)一定しないなどなど、高密度なPCBアートワークで利用するには無理があるようだ。ここは大人しくサンハヤトの既製品で(笑)

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規定の紫外線照射が終わったら、38度あたりの現像液で、しゃばしゃばする。すると銅箔にくっきりとアートワーク(フットプリント)のマスクが浮き上がる。これを水洗いする。

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これをエッチング液(第2酸化鉄溶液)にドボっとつけて、マスクを溶かす。

エッチング液はサンハヤトのものでなくても銅版画用に「腐食液」というものが売られている。こちらの方が安いし、性能も大して変わらない。しかしエッチング液は、廃液処理をしてからでないと捨てられないので、何らかの中和が必要になる。(必ず廃液処理は必要!そのまま流し台やトイレに流してはいけない!!)サンハヤトエッチング液には廃液処理用の中和剤もセットになっているので、このあたりでコスト計算をする必要がある。筆者は、4Lの腐食液と、20Kgの石灰で、いったいどこに置くのかと、保管場所の問題で断念した(笑)

業者に廃液処理を依頼するというのではない限り、サンハヤトのを使った方がよいと判断した。

出来上がった基板には、まだマスクがついているので、再度、紫外線照射をして現像液でしゃばしゃばすると、きれいに取れる。

エッチングについては、湯煎する、もみもみするなど、いろいろと手法があるようだ。

エッチング液を40度~50度に暖め、常に攪拌すると、なかなかシャープなものができあがる。そんなわけで、結果的には、やはりサンハヤト社のエッチング層と、ぶくぶく泡の出る装置と、エッチン液でも溶けないヒーターを導入することとなった。

手作業よりもはるかに効率がよく、なおかつ、よいもの(実用的なもの)が出来る。

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穴を開けて、切って、ようやく基板の完成。

銅箔は放っておくとさびるので、フラックスを塗っておく。

また、このあと、ソルダレジストを行うといいのだが、非常に面倒で大変なので(しっかりやってみて、失敗している。たぶん大きな基板で、それなりの道具があれば、きちんと出来るのだろうが、手作業では、やたらとしきいが高い。そこまでやるのなら基板屋に出した方がよい(笑))あきらめることにする(笑)

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できなくはないが、ものすごい手間ヒマがかかるわりには思うようにはいかない(笑)

このあたりの「ハウツー」は

www.sunhayato.co.jp

オリジナル基板作成ステップ | エレクトロニクス分野をサポートする製造メーカー サンハヤト株式会社

に詳しい。

 

④メタルマスク・ステンシルの製作に失敗

本来ここで、クリームはんだ塗布ようのマスク:ステンシル=通称メタルマスクを作るのだが、なかなかうまくいかない。がんばって作るよりも、業者にメタルマスクの製作を依頼した方がよいと思った。

が、どうしても必要というわけではないことがわかったので、失敗記録を残しておくことにする。

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まず最初に試したのは、カッティングプロッタで、防水紙(ポリプロピレン合成紙)をカットする。KiCADから、DXFでステンシル用のデータを出力し、プロッタに添付の氏ソフトに読み込んでカット。

動作そのものには問題がないが、0.nという小さなものが、並んでいると、ものの見事に紙が破れる(笑)紙の素材や、プロッタの調整など繰り返してみたが、ある程度スキマのあるものではうまく行くこともあるが、QFP や狭ピッチものがあると、ほぼ全滅した。この方法には無理がある。

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次に試したのが PnPという PCB用のアイロンプリント。一昔、流行していたようだ。

マスクのパターンを、青い用紙に印刷、銅板を挟んで、ラミネーターで(アイロンで)圧着すると、そのまま転写される。

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すると、ホコリやゴミ、用紙の曲がりやデコボコで、とにかく、まともに転写されない(笑)エッチングしてみたら、かなり近いイメージにまで到達するものの、意図しない穴が開く(笑)なお悪いことに、1mm 未満の位置が狂う。これはアイロンプリントという仕組み上、仕方がないのかも知れないが、ともかく使えないことがわかった。

 

⑤顕微鏡でハンダ付け

ステンシルが製作できないことがわかったので、クリームハンダ塗り込みで、リフロートースターという計画は失敗、関連機材は全て、押し入れに放り込まれることとなった(笑)

と、同時に、

ハンダ付け職人のはんだ付け講座 株式会社ノセ精機

というサイトを発見した。はんだ付け講座。多くの場合門外不出のノウハウを公開している滋賀県の企業で、リーマンショック時に取引先の大手から切り捨てられ倒産の危機に見舞われながらも、開き直って?始めた事業が「ハンダ付け講座」。というドラマティックな企業のようだ。


3216チップ抵抗、チップコンデンサのはんだ付け(実装) - YouTube

そこでモノタロウの顕微鏡を導入、明るくするライトをつけて、見よう見まねで「はんだ付け」をやってみることにした。

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やってみたら、できた(笑)

クリームはんだを塗布して、あらかじめ部品を載せて、お蔵入りしたトースターで焼いてみたら、なかなかいい具合になった。部品点数が多いと大変ではあるが、それでも、ステンシルも、ソルダレジストもなしで、できることはわかった。

無論、高密度すぎると「はんだコテ」や「ピンセット」が入らないので、どうしても、ある程度の空間が必要になるが、そこまでの小型化はしないので、全然かまわない。

 

⑥ QFN系は、ヒートガンで、はんだ付け

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ワークステーション858D というヒートガン=500℃くらいまで吹き出せるヘアドライヤーみたいなものを発見したので、サンハヤトの「特殊クリームハンダ」という注射器型のハンダを塗り塗り、ピンセントで部品を置いて(もちろん顕微鏡で)風力と温度を調整し、リフローのプロファイルを参考に、熱すると・・・

うまくいった。

ここで、思わぬ「はんだボール」に悩まされることになるものの、これは工場の自動挿入?でも起こるということらしいので、仕方がないとあきらめて・・・(汗)

ともかく、こちらも問題なく作れることがわかった。

 

⑦ まだまだ遠い mbed(笑)

そんなわけで、まだ mbed が出てこない(笑)

これは、電子工作として既製品を接続するだけで mbed みたいにするのではなく、作った回路を mbed で制御(若干語弊有り)しようという主旨 なので、mbed のために基板から作るという話しになっているためで、ホントの mbed は、もっと身近にある(笑)

この後、ここに書き切れないほどの実験を繰り返し(例えば、鉛フリーのハンダだったらどうなるのか、基板屋に基板を作ってもらったらどうなるのか、どうすればもっと成功率が上がるか品管志向、クイックポジ基板で両面基板作成のコツ、スルピンキットによるスルーホールの作成などなど)、おおよそなんとなく、現代風のハンダ付け・基板製作が、ちょっとだけわかってきて、それからようやく mbed (笑)