★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】MAD MAX 怒りのデスロード

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2000年代初頭、約20年ぶりに MAD MAXシリーズの新作(第4作目)の企画が持ち上がり、スクリプトは出来上がっていたものの、あれやこれやで延期され製作中止も危ぶまれたが、ようやく公開。原題の MAD MAX FURY LOAD というタイトルはそのままだが、なぜか邦題が「MAD MAX 怒りのデスロード」と、なんとも酷いタイトルになってしまった。が、ともかくMAD MAX シリーズ第4弾が30年ぶりに公開と相成った。

第4弾なので続編なのかというと、もともとMAD MAX は、主人公がマックス・ロカタンスキーだというだけで、とくに前後のつながりはなく、一部では”リブート”とも言われているようだが、リブートも続編もないのではないかと、筆者などは思ってしまったりする。 

3作目までは主人公マックスは、メル・ギブソンであった。企画段階ではメル・ギブソンも出演しそうな気配だったが結局、トム・ハーディが主役を務めることになった。

ヒロインといっていいのかどうかわからないが、共演にシャーリーズ・シェロン。あとはまあ、あんな妙ちくりんなキャラクター、誰だって構わない(笑)

 

f:id:tsuchinoko118:20150620174919j:plain近未来(なのかどうかよくわからなくなってきたが)核戦争により世界は崩壊し、荒廃し、汚染され、”暴力と速度”だけが生き残り、人々は、小さな集団をつくり、日々、略奪と戦闘に明け暮れていた。

水と緑を持つ砦「シタデル」のカルト教団のような集団「ウォーボーイズ」に捕まってしまったマックスは、鎖につながれ白塗りの男ニュークスの輸血袋とされてしまった。片腕義手の女性戦士フュリオサは、水と他の資源を交換すべく「ウォータンク」でシタデルを出発したが、実はシタデルの支配者イモータン・ジョーの5人の妻を隠し連れ出していた。フュリオサの故郷「グリーン・プレイス」に、共に逃げるためであった。

妻を奪われたことに気づいたイモータン・ジョーは、妻を取り戻すべくウォーボーイズの白塗り戦士たちと共に、改造車に乗り込み、ウォータンクすなわちフュリオサと5人の妻達を追った。追跡行の最中、輸血袋とされていたマックス、そしてニュークスは、フュリオサと合流。イモータン・ジョーの武装した追跡者たちと戦う。

 

f:id:tsuchinoko118:20120711113844j:plainお馴染みの「あるようで、ないようなスクリプト」に、異様な世界観と異様なキャラクター。そして改造車とバイオレンス。いかにも MAD MAX な作品で、とにかく最初から、ひたすら続くカーアクション(といっていいのかどうかもナゾだが)に度肝を抜かれた。マックスが英雄然としておらず、結構弱くズタボロになる初番も、いかにも MAD MAX で、いい感じだ。これまでと同じノリを踏襲しつつも、本作で特筆すべきは「色気」。フュリオサという女戦士はさておき、肌を露わにする5人の妻たちという”色気”は、これまでのMAD MAX には見られない。しかし、それでストーリーが大きく変わるわけではないし、一見、サスペンスの題材になりそうな「この連中は何だ」とか「この砦は何だ」とか「この美女達に、いったい何が」とか、そういうバックボーンは全くないところは、いかにも MAD MAX だ。「すでに、こういう状況だ」「前から、こうなんだ」シチュエーションはさておき、改造車が駆け抜け、クラッシュし、爆発し、人がバンバン死ぬ。そのまま突っ切る勢いこそ MAD MAX であろう。

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ただ、本作では、最初からいきなり「マッドマックス2」のラストシーンのトレーラーアタックが始まり、全く落ち着くヒマもなく1時間を過ぎて、ようやく、少し落ち着いて会話が始まる、というような、文字通り MAD な オープニング・アクトで、正直驚いた。もう話も何にもないのだ。まさに怒りのデスロード(笑)

そしてこれ以上逃げても、先に希望があるのかないのかわからない(たぶん、ないのだろう)。だから「シタデル」に戻ろう、と、10分ちょいで決断したら、あとは最後まで、バトル・バトル・クラッシュ・クラッシュ。結局、本作の大半が、バイオレンス・アクションに満ち満ちているのだ。(ひょっとしてネタバレなのかも知れないが、こんな話も何にもないような作品、別に構わないだろう(笑))

全編ほとんどが、マッドマックス2のトレーラーアタックだと思えば、おおよそ間違いはない。

f:id:tsuchinoko118:20150620174933j:plain2時間ちょい、往年のヘビーメタル・ライブを大音量で聴いた、という感覚。あるいは、緩急まったくない高速で下り続けるジェットコースターに2時間乗り続けた、という感覚が正直なところである。

最近の作品なので、たしかに CG は使われている。しかし、基本的には肉弾戦のスタントと火薬の爆発。30年ほど前 MAD MAX 2 を劇場に鑑賞しにいったとき、「なんと MAD な作品なんだろう」と思ったものだったが、本作も、ひとことで言えば「MAD で むちゃくちゃな作品」生の映画のド迫力というものを、ひさしぶりに感じた本作であった。監督のジョージミラーに、若さとパワーを与えていただいた。そんな気分だ。なにしろ、こんな作品(失礼!)で、疲れるどころか、ものすごくリフレッシュされエネルギッシュな筆者なのだから(笑)


映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』日本版予告編 - YouTube