★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

「遠くへ行きたい」 #地元発見伝

「遠くへ行きたい」 #地元発見伝
https://www.google.com/maps/preview?q=37.209052%2C136.684052
志賀町, 石川県県道49号線

地元の魅力を発見しよう!特別企画「地元発見伝
http://partner.hatena.ne.jp/jimoto/

 お題は「地元発見伝」だけど、いままで一番遠くに行ったのはどうのこうのと、なんというか矛盾に満ちあふれたお題で、メビウスの輪のようだが、とりあえず「やせの断崖」という断崖絶壁について書いてみたい。

f:id:tsuchinoko118:20070430111506j:plain「やせの断崖」は写真をクリックするとわかる通り、志賀原発のわりとすぐ近く、能登半島国定公園景勝地能登金剛」にある標高35m~55mの絶壁である。非常に交通の便が悪く、福井県東尋坊のように、カンタンに到達することは難しく、ある意味、秘境のようなところだ。

「やせ」というのは、断崖(がけ)の上から日本海を見下ろすと"身がやせる思いがする”からだそうで、なんとも安直なネーミングだが、実際に見下ろしてみると、いやまったくほんとに恐怖のるつぼ。血も凍る思いがするほど強烈だ。いわゆる「外海」で年中、日本海の潮が打ち付けられ、なおかつ強風が常に吹き付けているようなところなので、その気がなくとも、風にあおられ落ちてしまいそうになる。

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そのうえ、ここまで危険極まりない断崖絶壁なのに、どういうわけか、手すりも柵もなく2008年頃までは「立入禁止」となっていたりもする。立入禁止なのだけども「やせの断崖→」とカンバンがあったのは、親切なのか不親切なのか、罠なのか、よくわからない。筆者も、その崖下をのぞきこんでカメラで撮影してみたが、もともと高所恐怖症なので、おそろしいのなんの。地面に這いつくばっての撮影であった。

この写真は2007年に撮影したものであるが(突っ込まないように)、2007年は、能登震災のあった年である。非常にf:id:tsuchinoko118:20070430111824j:plain大きな激甚災害で、”いまにも崩れそうな断崖”も、やっぱり10mほど崩れてしまったようで、かつての面影は失われつつある。とはいうものの、やはり断崖絶壁は断崖絶壁なので、非常に恐ろしい場所であることには、かわりがない。

「高い」以外に強風もあり、立っていられない、足がすくむ、ことうけあいだ。

 そして、このような場所であるがゆえに、以下のような立てカンバンも多数。

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 松本清張推理小説ゼロの焦点」でヒロインが最後に身を投じたのは、この「やせの断崖」。すくなくとも判明しているだけで18人の自殺者が出たという。

奇岩・奇勝だらけの能登金剛。石川県能登半島には、自然の美しさと恐怖が満ちあふれている。「人類は自然を克服した。克服できる」というのが単なる思い上がり以外のなにものでもないと、畏怖の念を抱かずにはいられない場所だ。