【音楽】山下毅雄氏とテンションノート
ドミソがⅠ度の和音、ドファラがⅣ度の和音、シレソがⅤ度の和音。コード記号で表すとそれぞれC、F、Gとなる。例えばドミソに、もう一音加えて、ドミソシとするとC7となり、さらにドミソシレとなるとC9になる。当然、この上のC11とかC13とかもある。ポップスや歌謡曲、ロックでは、C7などの7度が出てくることがあっても、滅多に9とか11とか13、付加6度などは出てこない。こうした11とか13などをテンションコードという。ひとことでいうなら、ややこしいコードだ。
クラシックやジャズで、しこたま出てくる、こうしたテンションノートを、さらりと日本のテレビなどに持ち込んだのが、山下毅雄氏で、筆者のお気に入りの日本の作曲家の一人である。
パネルクイズアタック25 OPテーマ 山下毅雄作曲 - YouTube
メロディ(主旋律)はわかりやすいが、そのバックで流れている伴奏に耳を傾けると、おそろしく難しい響きのコードがバンバン出てくる。至る所で転調もしているようだ。これを日本で初めて(たぶん)導入しまくったのが山下氏で、生涯の作曲数は7000曲以上になるという、音楽生産マシーンのような方だ。
おそらく最も著名な曲は「ルパン三世(第一作目)」で、チャーリー・コーセイ氏がアドリブで適当な英単語を唸るアレだろう(ひょっとすると、エンディングの方が著名なのかも知れないが)
AFRO "LUPIN '68" - YouTube
こんなお仕事もされている。妙に格好いいメロウな主題曲だと思っていたら、山下氏の作品であった。
Robô Gigante Abertura - High Quality (ALTA ...
口笛の名手で、スキャットとテンションコードを使いまくり、7000を超える作曲をしつつ、プレイヤーとして「アタック!」と叫んだりする製造機のような山下氏。
筆者も、その姿勢に憧れているところがあり、本職の方で脅威の製造マシーンとして生涯現役をつらぬくつもりでいる。さすがにソフトウェア開発で7000本は、かなり苦しいが(笑)
山下氏は2005年、他界した。