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★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】アンチヴァイラル

あんまりオススメしない映画

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近未来。セレブ・著名人フェティシズム、有名女優と同じ髪型・同じ服装・同じアイテムを身につけるのと同じように、彼女のかかった病気、ウイルスを体内に注射、彼女と同じ病気にかかることが流行していた。注射技師のシドは、プレミア、希少価値の高いウイルスを闇市場に横流しをする違法行為に手を染めていた。

この独特のわけのわからない世界観を構築しているのは、デビッド・クローネンバーグの長男ブランドン・クローネンバーグ監督。設定から察するに近未来SF、あるいは近未来ホラーという感じの作品である。

全編、白黒モノトーンの映像に、セレブのくちびるの赤、血液の赤が強烈なコントラストを放つ80年代のファッション誌のような画づくりで、筆者は当初、2001年宇宙の旅、キューブリック監督作品を思い出したりもしていた。

肌に注射針を差し込む画、主人公が夢の中で異形への変身をして口から血を流す画、わけのわからない設定とストーリー、あえて意識したのか、それとも、やはり父の影響が色濃かったのか、ともかく初期のデビッド・クローネンバーグを彷彿させる作品ではある。

冒頭のセレブ・彼女が死ぬと、その肉を加工し販売開始されると、その肉を求め長蛇の列ができたりするような描写も多く、「大衆」「現代」へのアンチテーゼが強く打ち出されたりもしていて、時事ネタ、批判色も強く、ますます”偉大な父”の作風に酷似していたりする。

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主人公も、彼女のかかった病気のウイルスを注射し、彼女の死体の培養肉を食べ、彼女の血をすすり、はたまた登場する医師も、彼女の皮膚を自分に移植し、時折さわっては”彼女との一体感”に興奮し、と、まあ、設定もさることながら登場人物たちの行為も「変態」まるだし。

ひとことでいえば対象物(この場合、有名女優)への「愛」なのだろうけれども、その愛とは「所有欲」「欲情」「性欲」など、愛と呼ぶには似つかわしくない「欲」であり、大衆文化とはすなわち「激しい欲」で、あこがれとはすなわち「激しい欲」で、一体感とは、これも「激しい欲」で、と、大衆や現代人が言う「愛」を抜本的に嘲笑するかのようなストーリーだ。

もちろんストーリーとは言っても、設定からして、わけがわからないので、あまり気にしなくても良いのかも知れない(笑)最後も、父ゆずりのわけのわからなさで(笑)いやもう何というか、現代に突如としてよみがえった初期クローネンバーグ作品であった(笑)

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あんまり、どころか、全くオススメしない作品だが、好きな方はどうぞ。


映画『アンチヴァイラル』予告編 - YouTube