読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】HOUSE

あんまりオススメしない映画

80年代「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」いわゆる尾道三部作を公開し、熱狂的な支持者を産み出した映像の魔術師・大林宣彦監督の商業映画第1作が本作である。
女子高生仲良し7人組が訪れた郊外の家に食べられてしまうという「ホラー」であるが、その独特の映像から「ファンタジー(ホラーもファンタジーの一種ではあるが)」「コメディ」と呼ばれる珍妙な作品で、初期大林宣彦の若い女性のヌードの乱発と、後の大林宣彦的ビジュアル効果が炸裂し、炸裂しまくり、炸裂しまくりすぎた変な作品である。

オシャレ・ファンタ・ガリ・クンフー・マック・スイート・メロディの女子高演劇部の7人は夏休みを利用して合宿することになった。合宿先は、オシャレの”おばちゃま”の家。人里離れた山奥の”おばちゃま”の屋敷に着いた7人だったが、ひとり、またひとりと姿を消していく。”おばちゃま”の家は人食い屋敷。彼女たちは家に食べられていくのであった。

ストーリーだけ聞くとスプラッターホラーを踏襲した郊外もので、きちんとしたホラーだ。
ところがホラーなシーンになると、よくわからない非常にチープな特殊効果(CM出身だった大林監督と東洋現像所の特殊効果オンパレード。アニメ合成なんかもあったりする)が、これでもかこれでもかと炸裂し、血はほとんど流れない。また出演者のアイドルたちの拙すぎる演技(叫び声さえもまともに出来ていない気がする)と、なぞの編集で、いったい何がどうなって結果どうなったのかがさっぱりわからないまま、どんどん人間が(食われたらしく)減っていく。さらには、場違いなBGMが大音量で挿入され、そもそも製作者サイドがどういう作品にしたかったのが理解不能な、ある意味、非常にシュールなものとなっている。

大林宣彦監督といえばシュール、シュールといえば大林宣彦監督、と言えばよいのか、明らかな駄作と言えばいいのかよくわからないが、勢いだけで物語は進み、最後の方になって、ようやく
「おばちゃまには、若かった頃婚約者がいた。婚約者は戦地に赴き帰ったら結婚しようと約束して旅立ったが、帰ってくることはなかった。おばちゃまは、そのまま婚約者を待ち続け、生き霊となった。生き霊は、若い女性を食べることで若さを保ち永遠に生き続ける」と、家が人間を食う理由をノスタルジックに紹介し、7人全員を食べ終えてしまう。(7人を追いかけてきた女子校の教師は、バナナに変えられてしまった。意味不明な笑えないコメディだ)

美しい調べの音楽とともに、救いようのないエンディングで幕を閉じ、それまでのごちゃごちゃなものがなかったもののようにしてしまい、一応形になっているところも本作の特徴だ。
このむちゃくちゃさは、尾道三部作では影を潜めていたが基本的には同じような気もするし、金田一耕助の冒険では再び炸裂しまくっていたような気もするし、必見とは言いがたいが、もし尾道三部作で大林監督を語るのなら、まずは、とりあえず、ぜひ抑えておきたい作品ではある。