★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】タイタニック

不沈船と呼ばれた豪華客船タイタニック号は、同型のオリンピック号の2号機として製造され、処女航海の約1週間後に沈没する。1500人を超える犠牲者を出した、この沈没事故は世界最大の海難事故として、その後長く語り継がれ、今もタイタニック=沈没という図式で、非常に多くの本件を描いた映画も製作されている。
20世紀の終わりに公開された本作は、何かというと企業が悪い、女性が大活躍でお馴染みのジェームズ・キャメロン監督作品。ターミネーター2やアビスでも見せた「水もの」好きが炸裂するスペクタクル巨編の中で、なぜかディカプリオとケイト・ウインスレットの恋愛ものとして描かれる。
ストーリーは、さまざまな史実や研究を追いかけただけで、これといって目新しいものはないが、CGに凝りまくって、その沈没をエンターティメントとして仕上げたことは、なんというか、不謹慎なのではないかとも思ったが、”恋愛もの”の部分でうまく誤魔化してあったりして、3時間を超える上映時間にもかかわらず、飽きることなく、興行成績も映画史上最高をたたきだしアカデミー賞も11部門をとるなど、後生に残る名作の一本になった。
おおむね評価の高い本作だが、ほとんど言いがかりの企業が悪い精神で、マードック一等航海士が金に目がくらんだ裏切り者で逃げた最低の人間のように描かれ、はたまた、いつものキャメロン節で自己犠牲の精神で残ったはずの男性陣が単なる臆病者のようにも描かれ、各所からヒンシュクをかってる一面もある。
映画なので事実とは異なるのは当たり前とはいえ、キャメロンの企業が悪い女性が強いのは、見ていてうんざりすることも多いので、いい加減にして欲しいものだ。

音楽的には、セリーヌ・ディオンのマイ・ハート・ウィル・ゴー・オンが大ヒット。筆者的にはその影で流れていた、4人の音楽隊が沈没時に奏でる「主よ御許に近づかん」という賛美歌が印象的であった。

主よ御許に近づかん
登る道は十字架に
ありともなど悲しむべき
主よ御許に近づかん

現し世をば離れて
天翔ける日来たらば
いよいよまず御許に行き
主の笑顔を仰ぎ見ん

作中では歌詞はないが、騒々しく生き残ることに我欲を剥き出しにして奔走する乗客たちを癒やすように流れる賛美歌は、どこかもの哀しく非常に印象的であったりもした。

そういえば、今や演技派のアカデミー女優として名を馳せるケイト・ウィンスレットが、本作公開時、どういうわけかボロカスに言われていたような記憶があるのだが、ディカプリオとの恋愛描写への嫉妬心だったのだろうか。いまもってなぞだ。