★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】スター・ウォーズ

f:id:tsuchinoko118:20120714142939j:image:left:w260ちょうどコカコーラが、なぞのヨーヨー世界チャンピオンをトラックで運送し、日本中に、犬の散歩が席巻した頃、コカコーラの王冠の裏には「シースリーピオ」と描いてあり、なぞの金色の人型ロボットの写真のような色あせた印刷がされていた。
あたかも巨大な黒船が日本を支配しにやってくる、とばかりに大騒ぎだった公開直前の70年代後期。
少々、飽きが来ていたエクシストやオーメンからオカルトホラーブームの後釜に、どでんと座るかのように、そして、いい加減飽き飽きしていたアメリカン・ニューシネマの後に、どどんと公開されたのは、それまでチープなホラー映画と同列に並べられていたSF宇宙活劇であった。

いわゆるスターウォーズである。

もともとはアメコミ「フラッシュゴードン」の映画化を考えていたようだが、できあがったのは、時代劇に西部劇、戦争映画にオペラ、ごちゃまぜの娯楽チャンポンで、ホラーと反体制で鬱屈していた観衆は、このSF活劇に飛びついたのは言うまでもない。
映画らしいといえば映画らしい本作は、またたく間に世界で大ヒットを収め、今や知らない者は誰もいないほどの名作となった。

f:id:tsuchinoko118:20120714142937j:image:right:w240音楽的にも、クラシック交響楽は切り捨てられていたような当時に、古めかしくも大胆に取り入れ、ジョン・ウィリアムズの有名でキャッチーなあのフレーズで、豪華なオーケストレーションがなされた。

ちゃっかりアカデミー賞を受賞したのは言うまでもない。

筆者は、たしか、新聞販売所からもらった”タダ券”で本作を見に行った記憶がある。いまのような指定席制度は皆無に近かった当時の劇場は、立ち見だろうが何だろうが、ともかく入れてしまえ的な感じだったので、入れたはいいが、館内のロビーから進めず、どうにか銀幕を目にすることが出来たのは、夜遅くで、警察に補導され学校で怒られ、親にも家にいれてもらえなかった記憶がある。

いまでこそCG全盛で、こんな映像はちょちょいのちょいでコンピューターで描けそうだが、当時は、そんなものはなく、ミニチュアに光学合成。光学合成では、背景となるシーンの前に、前景となるモノを置くわけだが、合成するにあたりマスキング=背景シーンの上に前景の形をした黒塗りをおかねばならない。人手でやれば、手書きアニメのように、1枚1枚作業をすることになるが、本作ではコンピューター制御によるモーション・コントロールカメラが使われ、何度も同じ動きを再現できるので、マスキングをするための前処理も正確に行うことができるようになった、とどこかで聞いたことがある。その機械的な撮影システムが生み出す宇宙船の戦闘シーンは迫力満点。巨大な銀幕も手伝って「いままでからは考えつかないほどの見事な映像」であった。
しっかり、SF映画は、B級ではなく、A級の大作として扱われるようになり、時代は変わっていく。

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筆者は古い人間なので、どうしても、今のCGよりも当時の光学合成が大好物である。そして、この光学合成を可能にしたジョン・ダイクストラを追いかけることになり、リチャード・エドランドや、フィル・ティペットの名前からSF作品もしこたま見るようになったのであった。
(変な追いかけ方・・・)