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★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】インセプション

あんまりオススメしない映画

f:id:tsuchinoko118:20120702153158j:image:left:w260そしてクリストファー・ノーラン監督作品続きで「バットマンビギンズ」公開後の作品「インセプション」。
主人公コブは、相手の眠りと同期して夢の中で情報を”盗み出す”産業スパイ。妻であるモル殺害の疑いをかけられ本国に戻れなくなってしまっている。ある日、盗みとは逆に”植え付ける”(インセプション)案件をサイトーという日本人に持ちかけられる。危険な案件であることから一度は断るコブだったが、自身の犯罪記録を抹消し本国に残った我が子たちと会えるようにすることを条件にインセプションに挑むことになる。
案件は、サイトーのライバル会社の社長の息子に「会社を解体すべきだ」と意識を”植え付ける”こと。
コブ、相棒のアーサー、「設計士」のアリアドネ、「偽装師」のイーネス、「調合師」のユスフの5人とサイトーは、ライバル会社の社長の息子の夢に潜入する。作戦は成功するのか。

ノーラン監督が10年ほど構想を練っていた作品で、SFである(たぶん)。夢という世界を描きつつも、夢=バーチャル・リアリティ=現実との境目があいまいで、その世界を機械や技術で生み出す世界観は、思いっきりサイバーパンク。作中、サイバーパンクらしい描写はなく、サイバーパンクらしい小道具も登場しないが、まぎれもなくサイバーパンクである。

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単に夢の中で済まさずに、夢の中で寝る。夢の中で気絶することで、夢の夢を表現し、さらに、夢の夢の中で寝たり気絶したりすることで、夢の夢の夢の中という非常に深い階層に潜っていく様はアイデアも秀逸ながら、描写方法も、非常にわかりやすく、ついうっかり「ごまかし」や「混乱」に陥ってしまいそうなネタをうまくまとめている。

出演は、筆者は苦手とするデカプリオを筆頭に(本作がシャッターアイランドなのか、タイタニックなのか、よくわからなくなってしまう時がかなりあった)、マッドマックス4フューリーロードでロカタンスキーを演じる予定のトムハーディと、X-MENで壁抜け少女をやってハードキャンディで玉取少女をやったエレン・ペイジバットマンでも組んだキリアン・マーフィーに渡辺謙とマイケル。ケイン、と、個性派・実力派でしめている。(というか、クリストファーノーラン組なのかも)。音楽も、おなじみのハンスジマー。こちらもバットマンコンビで、なんというか、「ティムバートンとジョニーデップとダニエルフマン」のようで、微笑だったりする。

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興行成績もよく評論家にも評判がよいようだが、筆者的には、デカプリオ劇場で暑苦しく、せっかくのサイバーパンクものなのに、くどいスタイリッシュさが暑苦しく、あまり楽しい作品でもなかった。
予告編でも、エレンペイジが、町を曲げ、天と地をつなぐシーンが圧巻ではあるものの、それは「さわり」であって、物語の本題や佳境には全然関係がないシーン。最後は、トム・ハーディの肉弾戦と、その他のキャラクターのアニメ調のお涙ちょうだい劇場がえんえん続き、やや興ざめであった。

ネタがネタなので、最後が予想でき、また予定調和のまま「勝利して」終わるのも、いまひとつだ。

デカプリオが大失態を演じ夢に閉じ込められ、エレンペイジの人格が破綻するとか、キリアンマーフィーと渡辺謙が入れ替わってしまうとか、おどろきのハプニングが用意されていなかったのは筆者にとっては失点である。

実際、一度だけ見るのにはよく出来ているが、一度しか見ないで終わってしまうのは、他のノーラン作品にはない「軽さ」だ。

ノーラン監督だからこそ、もう少し、ひねりまくってもよかったのではないかと思う。