【PC】Windows Phone 8
Windows 8 を搭載するハードウェア surface が発表されていたと思ったら、さほど大きな話題にならずコッソリと Window Phone 8 も発表されていた（笑）
筆者は何度も当ブログにて Windows Phone を 単純に iPhone,iPad,Android などと並べて比較検討してはいけないと書き殴ってきたが、やはり Windows Phone 8 は、そのコア部分は パソコン版の Windows 8 と同じだと言っていた。これはつまり、Windows Phone 8 も、名前こそ「Phone」だが、ケータイ電話の上に構築されたパソコンのようなアプリ群ではなく、単なる小型のパソコンであるということで、Windows CE の後継と考えた方がよい。
Windows CE は、PDA(小型のパソコン)用の OS で、パソコンに比べて非力な小型ハードに載せるための古いOSである。コンシューマー向けには、さほど出回っていなかったが、業務用のハンディターミナルなどに多く利用されていたものだ。この CE 5.0 → 6.0 と出て、そのあと「Windows mobile」「Windows Phone」と名前が変わって一応進化し続けてきたことになっている。
ところが、業務用機器の世界では、どういうわけか CE で時代が停止してしまい、たとえば「Windows mobile」で動作しているハンディターミナルやデータコレクターを全くといいほど見かけない。そして「Windows Phone」と名前が変わっても、あいかわらずで、驚くことに CE が現役だったりするのだった。
CE の開発には Visual Studio 2005 の PROFESSIONAL版があればアプリを開発できるのだが、入手さえ困難なので、事実上、現在では開発ができるようなものでもない。昔、購入し、今も持っている場合のみ開発が可能。そしてハードメーカーもソフトメーカーも、そのまま CE にしがみつき、mobile や Phone に移行しないまま、現在に至ったという経緯がある。
これは何も世界的不況が原因とか、メーカーのやる気がなくなったとか、ニーズもウォンツもなくなったというような事情ではなく、mobile や Phone の仕様による。たとえば昨年発表され、一応電話機も発売された「Windows Phone 7.5(SDK 7.1)」では、USBも SDカードも何にも使えない。無線LAN(Wi-Fi)とケータイの電話回線でインターネットが利用できるいだけだ。これでは、様々なハードウェアとリンクする必要のなる業務用ユースには、かなり苦しい。
そのせいかどうかわからないが、小型のサーマルプリンターでさえ CE 対応品はあれど mobile や Phone の対応品は探しても見つからない、といったような状況である。
仕方がないからなのか、本気だったのか、あの持ちやすさ、タッチパネルなどの操作感から iPhone で「それらしいこと」＝すなわち、iPhone のカメラでバーコードを撮影し、ボンジュールでパソコンにデータを受け取ってもらうような「データコレクターもどき」が登場しはじめたが、周辺機器は揃わず、その構造上、いろいろと制約が多くイマイチ感があった。
Android が登場してからは、あの「自由に勝手に搭載してもよい」というような姿勢から、一部のメーカーが「それらしいこと」を出来るようにしてはいるが、CE が駆逐され、今後は Android が主流になるのかというと、そういう動きはまるでない。（もちろん、だからダメだというわけではないのだ。とくに Android 3.0以降は USB なんかも仕様として入り込んできたので）
そこに登場するのが Windows Phone 8。名前こそ「Phone」で発表されたのは「ケータイ」だが、Windows 8 と同じコアが使われているということで、（そのままでは動かないものもあるにしても） Windows がケータイに載ったと考えた方がよい。
市場は、アプリがないとか、いまさら遅いとかいう話が蔓延しているような気もするが、筆者は、これは「Apple と Googleの牙城を崩すため」に新しくこれから・・・というよりは、パソコンの大量の資産をケータイに、ということだと考えている。
手のひらに載るWindowsパソコン。
ようやく放置されていた CE も進化、入れ替えが始まるのだろうか、と、期待していたりする。
ちなみに、実験機として昨年 IS12Tを購入したのだが、アプリの制作テストをしただけで、ゴミになってしまいそうだ。というのも Windows Phone 8 は 7.5 からのアップグレードが出来ないらしいので（笑）
もったいなぁい。
