【映画】バットマン・リターンズ
1作目のヒットを受けて、満を期しての2作目が本作である。1作目から引き続き、マイケルキートン”バットマン”と、監督ティムバートン。往年の名優クリストファー・ウォーケンも出演。見ごたえ十分だ。
しかしながら、2作目は、バットマンというよりは、ただの「ティムバートン節」で、主役であるはずのバットマンは活躍しない(笑)
バットマンをはじめ、悪役ペンギン、キャットウーマンを、”フリークス”として捉え、バートン独特の哀愁ただよう”おとぎ話”のつくりになっている。
そのため、バットマンというヒーロー像(ヒーローといっていいのかわからないが)よりも、ペンギンの生い立ちや、キャットウーマンの奇天烈な精神描写を、描くばかりで、正直言って「これがバットマンなのか?」と、わが目を疑うつくりになっている。
バットマンは放置というか、ほとんど描かれていない。
バートン節の作品だと思えば、それでもいいのかも知れないが、バットマンだと思えば、納得はいかないのも、本作の特徴だろう。
どうすることもできず、マスクを剥ぎ取られたまま終焉を傍観するバットマン=マイケルキートン。
主人公の座を奪い、悲劇的かつ過激な最期を迎えるペンギン+キャットウーマンと、クリストファーウォーケン。
全編通じて、暗く哀しく、フリークスたちの運命が描かれる。カタルシスのなさは、相変わらずだ。そこが大変良い(笑)