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★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】X-MEN

f:id:tsuchinoko118:20120518170357j:image:left:w240アメコミで人気を博す「X-MEN」の実写映画化。人間が”進化した”と翻訳されているが、突然変異の病気というニュアンスに近いミュータントらが、すごい超能力を使って悪を倒す・・・のではなく、保守的な人間らとの関わりや、公民権の問題について描かれるスーパーヒーローものである。

自らの出自も記憶もない”ならずもの”のウルヴァリンことローガンは、今日も当てのない旅を続け、自らの不老不死の能力、強力な治癒能力、そして腕から飛び出るアダマンチウム(金属)のかぎ爪で、場末のパブのレスリングで小銭を稼ぐような日々を送っていた。
ある日、どう猛な獣のようなナゾのミュータントに襲われるウルヴァリン。危うく命を奪われそうになったとき、気象を操るミュータントと、目から殺人光線をはき出すミュータントに助けられ、「恵まれし子の学園」に連れられていく。

そこには、自らの強力な能力ゆえに足を不自由にしてしまい車いすに座るチャールズ・エグゼビアがいた。

f:id:tsuchinoko118:20120518170356j:image:right:w240公民権を認めず差別と既得権益におぼれ、ミュータントの存在を否定する人間たちに宣戦布告をし、全世界の破壊と支配をもくろむ、マグニートーから、人間を守るために戦う「Xメン」を組織しているというのだ。

上院議会では、ミュータントの隔離法案・差別法案が次々と可決する。
マグニートーは、待ち構えたように、ブラザーフッドを組織し、ミュータント軍団による人類支配のための行動を開始した。その第一弾として、細胞に急激な”進化”をさせる光線で、世界中から集まる政治家たちをミュータントにしてしまおうという、イマイチ狙いのわからない作戦だ。

チャールズ・エグゼビアのもと「Xメン」たちは、マグーニートーの企みを阻止すべく立ち上がった!!

というストーリー。

要は超能力合戦なのだが、そこに描かれる無情な差別、しつこいくらいに描かれるミュータント迫害は、アパルトヘイト政策を思い起こさせるし、その戦いは南北戦争を思い起こさせる。

手段を選ばずにミュータントとしての公民権を勝ち取ろうとするマグニートーは、あたかもマルコムXのようで、逆に融和を説くエグゼビア教授は、キング牧師のようでもある。

f:id:tsuchinoko118:20120518170355j:image:left:w240ユダヤ人でありゲイでもあるブライアン・シンガー監督の、ややも偏向的な描き方は、超能力アクション作品にして、アクションの書き込み不足な面もあるが、単純な勧善懲悪ではない重いアメコミ映画として評価もそこそこ高く、後に続くマーベルコミックの実写映画化の起爆剤ともなった。
(ように思う)

筆者は、マンガはほとんど読まないので、原作の「X-MEN」も、もちろん知らない。そんなわけで、ヒュージャックマン演じるウルヴァリン、かっちょええな〜と思っていたが、原作のウルヴァリンは背も低いし、ずいぶんとイメージが違う。それでも、役にハマっており、その後の彼は言わずと知れる快進撃ぶりだ。

迫害・差別・公民権・ヒュージャックマン・超能力による暴力。

スーパーヒーローものにして、それだけではない魅力が本作には詰まっている。