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★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】シャッターアイランド

あんまりオススメしない映画

f:id:tsuchinoko118:20120428174034j:image:left:w240連邦保安官テディ・ダニエルズは、本土から遠く離れた孤島へと捜査に向かう。孤島には精神病院があり、とくに凶悪な犯罪を犯した精神病患者が収容されていた。その女性患者が失踪したというのだ。
孤島の病院に乗り込むテディに、病院の医者や患者たち、警護を司る係官たちは、どこかよそよそしい。何か重大なことを隠しているかのようだ。
この島には何かがある。
テディは持ち前の熱血正義漢ぶりを発揮し、捜査を続けるが、そこにはテディ本人の過去が関係するおそるべき真実があるのだった。

監督はマーティン・スコセッシ。主演にレオナルド・デカプリオを配しての謎解きミステリー作品。筆者は正直言って、デカプリオがあまり好きではない。というのも、何をやっても”デカプリオが熱演する”俳優なので、ややもすると作品を根底から壊してしまっても、デカプリオは前面に、という暑苦しさがあるためだ。

本作でも、熱血連邦保安官なのだと言ってしまえばそれでいいのかも知れないが、結末の大どんでん返しの際には、その暑苦しさが邪魔をしてしまっている部分があるような気がしてならない、デカプリオな演技で埋め尽くされている。抑揚のない歌手、最初から最後まで同じパワーでヘッドバッキングを続けるロック歌手のような感じだ。

f:id:tsuchinoko118:20120428174035j:image:right:w300アクション刑事ドラマならそれでいいかも知れない。しかし本作は「謎解きミステリー」であり、謎を解こうと追いかけるデカプリオ保安官が、実は・・・というところに美味しさのある作品。
種明かしになっても、イマイチ納得できていないデカプリオ保安官、では、どうしようもない部分がある。

その点では落第点の作品だ。

しかしながら作品全体としては、文学的な虚構が幾多にも用意され、スコセッシ監督の演出の妙、ナイスな脚本、名優でしっかり脇をかためた脇役陣、奇抜な音楽、どれこもこれもが一級のサスペンスで、とても魅力的な作品である。

ただ、デカプリオが一人でブチ壊しているように思うのは、筆者だけでもないだろう。

虚構とトリックは誰もがカンタンに予想できる作品であるから、なおさら、一直線の演技しかしてくれないデカプリオでは、つらいのである。

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とはいえ、本作の核心は、「いやなことをしてしまう最愛の人の姿」「最悪のことをしてしまう自分の否定」 から、「自分は善人だ。悪を懲らしめるに足るすばらしい義人だ」と、自分で自分をあざむく人=精神病患者というところにある。

人間の本質は醜悪さにあるかのように描き、その本質を否定し懲らしめ悪党だと裁くデカプリオと、その醜悪さを愛し何とかその真実に気づいてまっとうに生きてほしいと願う精神病院のみなさん。その対比と結末について、思いをめぐらせることのできる良質の映画である。

かくして追い詰め捕らえ裁こうと奔走していたデカプリオ保安官は、最終的には追い詰められ捕らえられ、そして、裁かれるのであった。