★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】28週後・・・・

f:id:tsuchinoko118:20120314154501j:image:left:w220ある研究所では、”猿”を実験動物として飼育、殺人・暴動・戦争などのビデオを見せつづけ、とある「ウイルス」を生み出そうとしていた。

ある夜のこと、過激な動物愛護団体のメンバーは、この研究所を襲撃して
「猿」を解放するという。研究者は驚き、必死で制止しようと試みた。

「この猿を解放すると危険だ!」

結局、動物愛護団体のメンバーは、猿をオリから解放し、猿に襲われ、とある「ウイルス」に感染する。ウイルスの名は pure RAGE (純粋な怒り)。それから数日で、イギリス中に、感染は広がった。

そして28日後・・・

ダニーボイル監督が、わずかに感染せずに済んだ(生き残った、とは言わない)人々のサバイバルホラーを描いて、スマッシュ
ヒットを飛ばした。本作は、その続編となる。


イギリス本土そのものが隔離され、感染者が全て餓死するまで放置し、事件発生から11週後には、アメリカ軍の指揮でNATO軍が上陸、官制下に置かれ、28週後には、徐々にイギリスの復興が始まっていた。

というところから始まって、「保菌者なんだけど、発症はしていなかった」1人が、紛れ込んだことで、またパニックが始まるという内容。”感染だ”、”pure RAGEだ"とは言ってるけども、要はゾンビ映画である。


まず、驚かされるのは、1作目のヒットを受けての予算アップで、とにかく豪華になった。

前作の最後のバトルで鳴り響いていた、不響和音の印象的な旋律のチープなジョン・マーフィーの音楽は、恐ろしく良い音になって再登場。(ターミネーターのブラッド・フィーデルの様だ(笑))

pure RAGE に感染した感染者のメイクも、相当、豪華になった。
象徴的な赤い瞳のカラーコンタクトで暴れるだけではなく、血しぶきを飛ばしながら暴れる。スプラッターファンも満足の超グロ映像となった。ゴア映画度満載だ。とくに、ヘリの回転翼で、感染者の首を斬首しまくるシーンは、DAWN OF THE DEAD へのオマージュか、どうかはわからないが
圧倒的な人体破壊シーン。とにかく大迫力。出演者の人数(キャラの人数)も100倍以上になった。普通の人、数百人の中に、たった一人の感染者。大パニックとなるのは請け合いで、実際、すごい迫力だ。米軍の空爆シーンなど、とにかく豪華なシーンが満載。

しかし、ストーリーが、はっきり言って、よくわからない。

脚本が悪いのか、監督の演出が悪いのか、編集で間違ったのか
誰が何をやっているのか、もひとつ、理解できない。
話に展開がない、というか、どうでもいいという印象さえ感じる。

前作(1作目)では、丁寧に描かれていた、人の傲慢や孤独、そこから紡ぎだされる友情や愛情が、なくなってしまった分、面白みに欠ける。

単なるアクション映画と思えば、気も済むのだが。。。


もう一つ気になるのは、「感染者」の描き方。

f:id:tsuchinoko118:20120314154500j:image:right:w400ゾンビと違って、RAGE の感染者は、理性を失い暴れる病気だ。
ただ、暴れるだけなので、隔離さえしてしまえば、餓死する。
ゾンビのように、死体を食い続けることも出来ないので、ふつうに
何も食わずに餓死する。
銃で撃っても、ゾンビのように「脳みそ」を破壊しなくてはならないわけでもなく、ふつうにやられて倒れる。ただの病人なのだ。

噛み付かれたり、唾液や血液によって、被害者が逃げ惑っている間は「絵」になるが、縛られているなど身動きが取れないと、どう暴れていいのか、手持ち無沙汰な感染者が、とてもむなしい。

とりあえず、噛み付いてみたり、親指で目玉をつぶしてみたり、飛び散る血しぶきをブルブルと浴びせてみたり、突然、壁やドアに蹴りをいれてみたり。

ゾンビのように「人肉を生きたまま食う」という”目的”がないせいか
描き方が、とても難しい。

f:id:tsuchinoko118:20120314154459j:image:left:w300だから、追いかけてくる。全力で走って追いかけてくる。
とくに目的はないが。。。

なるほど、ウイルスは「pure RAGE」。ただの怒り。
”理由もなく、ただ怒ったニンゲン”が、最も恐ろしいというオチか。

たしかに。

わけもわからず、とにかくイライラしている最近の人々ほど恐ろしい存在はない。