【映画】ドラキュラ
フランシス・F・コッポラ監督。主演ゲイリー・オールドン、ウィノナ・ライダー。キアヌ・リーブス、アンソニーホプキンス、と、やたら豪華な顔ぶれで、お送りする、ブラム・ストーカー原作の有名なあのドラキュラ。
ドラキュラといえば、ハマー・フィルムのクリストファー・リー(ドラキュラ伯爵)VSピーター・カッシング(ヘルシング教授)というイメージしかなかったので、この作品で、描かれるドラキュラの世界観には、驚かされた。
”原作に忠実に”という謳い文句で、愛するプリンセスが自殺を遂げ、愛するがゆえ深い哀しみの傷を負ったドラキュラ伯爵が、うらみつらみで、吸血鬼として蘇えり、プリンセスに瓜二つのミナを見つけ愛し、そして、人間として愛に抱かれて死ぬ。。。。どこが、”原作に忠実”なのかは、よくわからないが、深い味わいのある作品として、まとまっている。
血を吸い下僕にする、串刺し王。宿敵ヘルシング教授と闘う、悪魔の王道、紳士の顔を持つ冷血漢と、いった、いわゆるドラキュラ伯爵のイメージからは、かけ離れた、哀愁漂う新解釈のドラキュラに、ついうっかり、涙腺がゆるんでしまった。
物語は、原作を下敷きにしてある分、まとまってはいるが凡庸で、これといった盛り上がりにかけるが、豪華なキャスト陣、音響、音楽、演出などなどで、それをカバーできているところは、さすが、コッポラといったところか。
本作は明らかに恐怖映画の仮面をかぶった恋愛物語である。
しかし、G・オールドマンと、ウィノナ・ライダーの恋愛映画、ってのも、なんだか違和感があるような気がするが、それは、先入観というものだろうか