★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】ゲーム

f:id:tsuchinoko118:20120212063522j:image:left:w220事業家ニコラスが48歳の誕生日を迎えた時、弟から誕生日プレゼントとして「CRS」という会社の招待状を受け取る。すばらしい体験が出来る、必ず行ってくれ、と頼む弟のいうままに「CRS」へ出向くニコラス。
「CRS」はゲームを提供する会社だという。
よくわからないまま、ゲームに参加することになったニコラスだったが、次々に身の回りに起こる理不尽な体験に翻弄されていく。
気がつくと、自分の会社も、そして家も財産も奪われ、身も心もボロボロになっていくニコラス。そして敵意をもって「CRS」に復讐を誓うニコラスは、銃を持ち戦いを挑んで行く。ひょんなことから飛び出してきた弟を射殺、絶望したニコラスは、高層ビルの上から飛び降り自殺を図るが・・・・

図るが・・・

図るが・・・

デヴィッド・フィンチャー監督の1997年作品。
音楽はセブンでタッグを組んだハワードショア。
おなじみの迫り来るようなサスペンス性で、主演のマイケルダグラスが次第に人格崩壊を起こしていく様を描ききる。
画像の雰囲気と音楽が同じだからかも知れないが「セブン」を彷彿させる作品である。
もちろん配給は、ギャガ・ヒューマックス(笑)

その陰鬱で理不尽な展開から、一級のサイコサスペンスを連想しながら、最後までグイグイと引っ張っていくフィンチャーの演出にハマりこんで行ったのだが、最後に、ニコラスが自殺を図るあたりで、M・ナイト・シャマランもびっくりの衝撃のラストを迎え、筆者は頭を抱えこんでしまった。

こういうオチは、一度観て知ってしまうと、二度と観ることができないではないか。

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また、弟が、こういうオチを用意した経緯がほとんど触れられておらず、悪ふざけにしては悪質、何が言いたくて何がしたかったのか。つまり、本当の「兄への誕生日プレゼント」は何だったのかが、書込み不足で、理解不能でもある。

実業家ニコラスの父もまた48歳で飛び降り自殺をしたのだが、そこに引っかけてることはわかるのだが、どうにも話や設定にムリがあり、ひとことで言えば「変な映画」である。

おそらくは、ニコラスの人格的な問題(離婚・人間不信・父の自殺へのこだわり)などに対する弟からのショック療法(荒療治)なのかも知れないが、演出・脚本上、そうした弟の愛が描かれておらず、また、真意にふれるものもないため、サイコ野郎な弟と自意識過剰な兄としか写らない。
もう少し、兄の苦悩やこだわり、偏執的とも言える人間像を描いてから、最後に、どのようにサクセスしたのかを描けば、よかったのかな、とも思ったりして、一度しか楽しめない本作を観たのであった。

あいかわらず「おすすめ映画」というカテゴライズではあるが、好きな人にしかオススメはしない(笑)

もちろん「セブン」を超えると書いてあるが、ぜんぜん超えられてない(笑)