【映画】ターミネーター2 JUDGEMENT DAY
某国某州知事の代名詞、ターミネーター第2作である。
前作で予算不足を克服した「人間にしか見えない、よく出来た機械」ターミネーターは、旧型とされ、流体金属の新型ターミネーター”T1000”が登場。
将来、人間側のリーダーとなる少年の命をターミネイト(終わらせる)ため、新型ターミネーターが現代に送り込まれる。そして、同時に、もう1体の旧型ターミネーターが。
予算がパワーアップした分、SFXは恐ろしく豪華になった。とくに”T1000”の変身シーンは、これまたアイデアもの。流体金属を表現するモーフィング映像は、驚きの連続である。母親の夢の中での核爆発シーン、未来での戦争シーンなど、予算に見合ったSFXがふんだんに多用されている。
とはいえ、それだけと言えるストーリーの底の浅さは、最近のジェームズ・キャメロン作品全てに通じることで、あっと驚くSFX、はい、おわり、みたいな適当な作風には、やや閉口する。この作風は、アビス、アバターにも通じるもので、ハリウッドらしいといえばハリウッドらしい「すごい画だけあればそれでいい」の典型的な作風で、おもしろみに欠けるのはおもしろみに欠ける。もちろん、その「すごい画」で子供も大人も楽しめるファミリー・エンターティメントでドル箱なのは間違いないが、やや残念ではある。
本作でも、リンダ・ハミルトン(母親役)の鬼気迫る演技と、ロバート・パトリック(T1000)の長距離マラソンがなければ、アビスやタイタニック同様、なんだそりゃ作品になっていたであろう。
たとえCGが発展し、クオリティの高い「すごい画」があっても、俳優の力量・演出、そしてストーリーこそが物語の良さが映画の核であることを忘れてはいけない。