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★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】スパイダーマン

遠い昔、70年代も終わりに、マーベルと東映一定期間キャラクターを交換したということあって、アメコミ原作とは何ら関係のない暗くて孤独のヒーローで巨大ロボ・レオパルドンにのって戦ってしまう地獄からの使者スパイダーマンというのがあった。相手は鉄十字軍だ。首領のモンスター教授は、ひかるいぶし銀の魅力、安藤三男。

公開された映画のスパイダーマンは、そのスパイダーマンではなくサム・ライミ監督版。筆者個人的に一番落ち込んでいた頃、なにもかも全てがおもしろくないしご飯も美味しくなく夜起きて朝寝るような(当時は鬱病という言い方がなかったかも(汗))時期に、公開され、映画マニアだと知っている知人に「サムライミ」「ウィレムデフォー」「アメコミ」とささやかれ劇場に足を運んだ覚えがある。
それはアメコミにして、クモに刺されたから遺伝子が変化しクモ人間になってしまったという、いかにもスタン・リーなデタラメ科学で産まれたスパイダーマンが、摩天楼をクモの糸で飛び回るという快作で、あった。

さえない高校生のピーター・パーカーは、ある日クモに刺されて遺伝子が変化、手首からクモの糸を発射し、身体能力も向上、スパイダーマンとしての能力を獲得する。幼なじみで親友のハリーの父である科学者ノーマン・オズボーンは、自ら開発した肉体増強薬の人体実験に失敗し、凶暴なグリーン・ゴブリンとなった。ニューヨークの街を舞台にクライムハンターとして活躍するスパイダーマンを邪魔だと思ったグリーンゴブリンは、スパイダーマンを倒すことを計画し実行に移す。スパイダーマンが、ふつうの少年ピーターとして、MJ(メリージェーン)に恋をし、やさしいおばさんと暮らし、あてずっぽうで適当な編集長のいるビューグル誌のカメラマンのアルバイトに励む彼の私生活を破壊する作戦だ。

と、簡潔に描くとこんな感じのわかりやすいストーリーで、CGのスパイダーマンがニューヨークの摩天楼と処狭しと飛び回る。アメコミヒーローとして、お行儀のよい作風で、サム・ライミ監督のスパイダーマンに対する愛情がいたるところに感じられる。

筆者的には、そうしたことよりも、編集長のJKシモンズの適当さと、ウィレムデフォーの(ストリート・オブ・ファイヤーの頃とはまた違う)頭のネジの1本はずれた悪役ぶりに大興奮であった(笑)

本作のよいところは、お行儀のよいアメコミヒーローにして、その変身を「大いなる責任が伴う」と堅苦しい事案にしてしまい、ピーター本人も、それを「呪い」と受け取っている脚本にある。この何かと説教臭い設定は、その後に続く2作目、3作目にも大きく絡んでいき、ピーターの成長物語と密接な関係がある。人は”試練”を乗り越えて成長をする。”試練”とは、いつも自分のことであり、できそこないの自分を真っ正面から認め、戦い、勝ってはじめて小さな進展がある。

うそみたいな話だが、筆者は本作を観終わってから、ようやく自分ほど極悪で出来損ないなのも珍しいと認め受け入れ、少しづつ快方に向かっていったのであった。