★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】[リミット]

f:id:tsuchinoko118:20121102115850j:image:left:w260カギ括弧のついたリミットは、ライアン・レイノルズ主演のソリッド・シチュエーションものである。

イラク復興のため現地でトラック運転手をしていたポール・コンロイは、気がつくと、地中深く埋められた棺の中だった。

これがストーリーの全てだ(笑)
せまく暗い地中の棺の中で、ライアン・レイノルズが脱出を試みたり、一緒に放り込まれた電池残り少ない携帯電話で、雇い主、家族、米軍、埋めた犯人と喋り、オイルライターで明かりを灯しと、最初から最後まで”棺の中”シーンのみ。ひょっとすると映画よりも演劇向きなのかも知れない。

しかも主演ライアン・レイノルズなのだけど、なにしろ暗い狭い棺の中なので、それがいったい誰なのかわからないほどの近接撮影が延々と続く。たまーに携帯電話のビデオという形で、外の光景が写るだけで、あとは”会話”だけで話しが進んでいく。
どうやら犯人は、イラク復興でやってきた米国が気に入らない現地のテロリスト(あるいは誘拐犯)らしく、埋まってるビデオをネットにアップロードしろ、指を切断してビデオを撮りアップロードしろ、そして大使館に金を支払わせろ、と脅迫しつづけるが、米国大使館に犯行を伝え人質にして金品を要求しているのかどうかもよくわからない(たぶん、してないのだろう)。
ライアン・レイノルズが埋まってるだけの映画なので、スタッフサイドに政治思想があるとは思えないが一応、市民が巻き込まれ苦しんでいるので反戦映画なのかも知れず、ステレオタイプな現地のテロリストというのが悪人然としすぎているので、ひょっとすると士気高揚のための映画なのかも知れない。(とはいっても中途半端なので、たぶんノンポリなのだろう)

f:id:tsuchinoko118:20121102115924j:image:right:w240都合良く墜ちている携帯電話は、埋められたポールのものではなく犯人が入れていったようで、その本体の電話番号がわからない。自宅にかけてみるも、あいにく妻は、うっかり携帯電話を自宅に忘れたまま外出中。会社にかけると、社内での恋愛沙汰があったので埋められる前に解雇したから後は知らないとか言い出したり、米軍がイラクにF16でミサイル攻撃をしたので地面が揺れて棺に砂が入ってくるなどなど、ご都合主義の演出・脚色が随所に見られる。
せっかくのソリッド・シチュエーションなのに、シチュエーションが虚飾っぽくて興ざめしまくり間違いなしだったりする。

あとは、ライアン・レイノルズの演技力に掛けるしかないのだが、なにしろ、暗闇+狭い+棺なので、ヘビを追い払ったり、あやうく火だるまになりそうなところをうまく逃げたり、たいへんよくがんばっているのだが、カメラワークにも限界がある。

f:id:tsuchinoko118:20121102115942j:image:left:w240最後は、期待の大どんでん返しもなく・・・ここからはネタバレなので言いませんけど、とにかく解決しません(笑)

つまらないもの見ちゃったなぁ、という後味の悪さ。
物好きの方だけにおすすめです。