★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】コンテイジョン

f:id:tsuchinoko118:20121003101438j:image:left:w260ベス(グウィネス・パルトロウ)は出張帰りに夫のミッチ(マット・デイモン)が待つ自宅へ向かわずシカゴで元恋人と密会し高熱と咳を発病、映画冒頭でいきなり死ぬ。原因究明のためグウィネス・パルトロウは脳みそを解剖される。グウィネス・パルトロウのいきなりの死と解剖。驚くべき顛末の末、それはコウモリとブタから産まれた新種の”ウイルス”で、ワクチンはなく致死率も非常に高いと判明。気づいたときには、すでに世界中へ感染が始まっていた。
大慌てで対策を講じるエリス・チーヴァー博士(ローレンス・フィッシュバーン)たちだが、一向に打開策は見いだせずにいた。チーヴァー博士の指示で原因をつきとめ接触者を隔離する任務をおったエリン・ミアーズ医師(ケイト・ウィンスレット)だったが、彼女もまた感染、発病し死んでしまう。グウィネス・パルトロウに続いてケイト・ウィンスレットまで死んでしまうとは、いったいどういう作品なのでしょうか。
主人公であるはずのレオノーラ・オランテス医師(マリオン・コティヤール)は大きく活躍することなく拉致されてしまい、その隙間を縫うようにフリーランスの自称報道記者でブロガーのアラン・クラムウィディ(ジュード・ロウ)は、これは政府と製薬会社が一儲けするために仕組んだ陰謀だと、世界中に配信、世界は新型”ウイルス”のパンデミックと、あやしい情報による”パニック”に見舞われて行く。

f:id:tsuchinoko118:20121003101446j:image:right:w280・・・といったストーリーの”パンデミック”ものだが、その描き方は静かで緻密だ。派手な暴動を描くよりも、ニセ情報の恐怖や、ワクチン開発者たちの身内だけ優先的に救いたいという欲求との戦いや、先述したとおり二大アカデミー女優が悲惨な姿でポンポン死んでいく様子を淡々と描く。マット・デイモンはアクションなしで、かわいい娘が感染しないように部屋で隔離する親父を演じ、ジュード・ロウも、ほんとうなのかうそなのかさっぱりわからないデマを流す男をいやらしく演じている。なにげに非常に豪華な俳優陣で描く”パンデミック”ものは、サスペンス・スリラーの様相。

f:id:tsuchinoko118:20121003101451j:image:left:w280非常に多くの人間が”ウイルス”によって死滅した頃、ようやく効くのか効かないのか全然わからない”ワクチン”が開発され、くじ引きで順番に吸入しはじめたところで終わる本作は、その後、事態が収束に向かったのか、このままどんどん進化していく”ウイルス”に抵抗できないまま世界が破滅するのか曖昧なまま作品は、”事態の最初”、原因へリンクして終わる。

突然あらわれた新種のウイルスは、あやしげなブロガー・アランが予見したこととはちょっと違うが似たような、性質の悪い・・・ ありきたりな顛末ではあるが、人間が犯しやすい過ちである。
作品を見て、確かめてほしい。