【映画】ヤッターマン(実写版)
ヤッターマンとガッチャマンの実写版の製作発表の時は、ひっくりかえった。映画宣伝のキャッチコピーにもあるように「まさかの実写化」
監督は、三池崇史氏。
こういう冗談ヒーローものとしては、哀川翔のゼブラーマンが記憶に新しい。とくに、ファンというわけではないが、日本のジョン・ウー。手堅くまとめるには、手堅い選択かも知れない。
日本のマンガの実写化といえば、「ほくとのけん(ハリウッド)」「Gセーバー(ハリウッド)」「キャシャーン」「スピードレーサー(マッハGOGOGO:ハリウッド)」「デビルマン」「ドラゴンボール(ハリウッド)」と、コケに、コケまくっている気もする。
このヤッターマンも、少々、怖いが・・・
観てみると、当時のアニメそのまんまじゃんか、と、ひっくりかえった。
ヤッターマン、ヤッターメカ、ドロンボー一味はもちろん。
似てるとか、設定だけ真似たというより、そのまんま。
衣装も、そのまんま。
自爆ボタンに、ヘンテコメカ、ヤッターワン、オモッチャマ、ドクロベー、声まで同じ。
オダテブタも一緒。
ついでに、山本正之氏のBGMに、山本氏本人が歌うヤッターマンのうた。
ドロンボー一味の歌う、「ほっしぃよ、ほっしぃよ、ドクロストーン♪」。
なにからなにまで、そのまんまだ。
多くの実写版では、設定だけ活かしてオリジナルストーリーに大幅にアレンジした演出、キャラ、というのが、定番だが、この「ヤッターマン」は
「そのまんま」だ。
これは、「新作映画」というよりは、ただの「再現」ではないか。
これは、まいった。
ひっくりかえった。
難をいえば、アニメーションならではのデフォルメや、テンポのよい編集が、実写では無理なところもあり、少し、なまぬるい感じの、だらだら感が気にはなる。CGも、たいした予算をかけているわけでもないので、かなりチャチ。はたまた、アニメ風のやりすぎて、俳優の個性は、かなり埋没してしまっている。たとえば、ドロンジョが深キョンである必要はないし、ボヤッキーが生瀬勝久である必要はないという感じ。
生瀬勝久は、けっこう、好きな俳優の1人だが、
本作では、生瀬勝久らしさは、ほんの一瞬、ちょっぴり出てくるだけ。(女子高生のみなさんの箇所)
そういう意味では、これは、映画作品ではないのかも知れない。
なにしろ、魅力的なシーンが、「昔のヤッターマンそのまま」だというのだから。
とはいえ、現役世代は、これは必見。
お色気、下ネタ、なんでもありありの、もともとが不真面目なデタラメさが面白い作品。
ジャンボパチンコの「パ」が消えたり、オリジナルキャラの阿倍サダヲが、キン○マキ○タマとつぶやく下りの、どうしようもない、くだらなさが、本作の醍醐味ではある。
また、クライマックスまでは、わりとだらだらとしているが、最後はキッチリ決めてくれる。今週のビックリドッキリメカ、はっし〜ん。
そしてヤッターマンの最終回。覚えてますか?
筆者も、忘れました(笑)
きちんと、最終決戦を描ききり、ドクロストーン、ドロンボー一味、すべての最後がきちんと語られる。しかし、なぜか「次回予告」で、幕を閉じる。
最後まで、ひっくりかえった。