★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【音楽】パール兄弟

f:id:tsuchinoko118:20111124050924j:image:left:w220ハルメンズサエキけんぞうが、同じくメンバーだった上野耕治がゲルニカ(feat.戸川純)への参加で多忙になりハルメンズの活動が停滞したのをきっかけに結成したのが「パール兄弟」であった。
メンバーはサエキけんぞうを筆頭に、実弟のギタリスト窪田晴雄、ベースにバカボン鈴木、ドラムに松永俊弥の4人組でデビュー。
1stアルバム「未来はパール」から、ROXY MUSIC の SAME OLD SCENE の PV をパクったような PV で「バカヤロウは愛の言葉」を当時の音楽PV垂れ流し番組に、頻繁にかかっていたりした。

サエキけんぞうの作詞世界もそうだし、1stアルバムのジャケットもそうだし、どこかイロモノでコミックバンドな要素がある。その反面、バックバンドのメンバーがテクニック面でもアレンジ面でも、おそろしく技術力があり、複雑なコード感や非常に多くの音楽ジャンルを網羅したような知識というか趣味というかが、当時の日本音楽の最高水準レベルだったりして、そのアンバランス感が魅力的なバンドであった。
なんとなく企画モノのような気もして、すぐに解散するかと思いきや、実は今も、活動している精力的なバンドでもある。

筆者がパール兄弟を知ったのは、やはり1stの「バカヤロウは愛の言葉」で、即座にLPレコードを買うと、寂しい男性がティッシュを使い切るような歌も多く、赤面しつつ聴いたものだった。
2ndの「パールトロン」の仰々しいビッグバンド風アレンジで、パール兄弟の底知れぬ才能を知ると、直後に「鉄カブトの女」で、またもや、意味不明なオカルト世界に引き戻され、と、当時は毎回目が離せない存在でもあった。

f:id:tsuchinoko118:20111124050925j:image:right:w220その裏で(もとい表で)は、おにゃん子クラブという素人集団がセーラー服を脱がさないで、と後藤次利のてきとうな曲で歌い踊っていた時代なので、パール兄弟のような売れるか売れないような?わからないバンドが輩出されていたのは、やはりバブル期の余韻で、何をやっても売れてしまうような時代だったからかも知れない。もし、現代なら AKB48という集団がヘビーローテーションと歌い踊っても、その裏で意味不明なイロモノバンドは、こっそりライブハウスに登場するくらいでメディアの中心にはなかなか現れない。知らないうちに産まれ、知らないうちに消えていく。
パール兄弟のようなバンドが、現在において登場することが叶わないのも、決して、若者の努力と気合いが足りないわけではなく、社会の経済的事情もあるのだが、そろそろ次世代が登場してもいい頃だと、期待したりもしているのだが、はてさて、どんなものか。

ROXY MUSIC の SAME OLD SCENE の PV をパクったような PVを探したのだが Youtube には落ちていないようだ。
しかし「バカヤロウは愛の言葉」はクリアな音源で落ちていた。

”バカテク”な楽曲の上で鼻声で歌われるわけのわからない歌詞世界。
ご堪能ください。

情けない男の歌なのに、なんだ、このカッコよさは!?