★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】ソウ

f:id:tsuchinoko118:20111012044349j:image:left:w220一人目は、カミソリチェーンに絡まって、切り刻まれて死亡。二人目は、引火性の高い粘液を裸体にぬられ、ろうそくを握ったまま焼死。三人目は、時間がくるとアゴが砕かれるカブリモノで・・・・生還。ただし、睡眠薬で眠らされていた、もう一人は、内臓をえぐりとられ死亡。犯人を追い詰めた刑事は、首を切り裂かれ瀕死の重体。刑事の若き相棒は、銃の引き金に縛り付けられている糸を引っ張り、脳漿が飛び散った。

しかし、この”ジグソー”と呼ばれる「犯人」は、誰一人として殺していない。被害者が、自らの選択で死んだに過ぎない。選択を与える連続殺人鬼「ジグソー」の仕掛けた罠。「ハロー・ゲームを始めよう」

ふたりの男が目覚めると、そこは、老朽化した風呂場。足はクサリにつながれ、拳銃自殺の死体が横たわっている。”ジグソー”の与えた選択は「相手を殺すか、二人とも死ぬか」。タイムリミットは、午前6時まで。理不尽かつ絶望的な状況に”逃げ道(勝利)はある”・・・・

f:id:tsuchinoko118:20111012044351j:image:right:w260異常な連続殺人、血しぶき、脳漿、内臓、切り刻みの鮮烈な描き方。ソリッド・シチュエーション・ホラーと銘打ち「セブン(D・フィンチャー監督/B・ピット)」と比較される本作だが、根本的には、まったく違う。「セブン」は、猟奇殺人鬼をシリアスに描くことで、作品が、なにかしらの説法を説いているのに比較して、本作は、殺人鬼ジグソーが、被害者たちに直接、説教しているのだ。そして、その説教の様子を、傍観者であるわたしたち観客は、ゴードン・スミスのゴア映画を観るがごとく、その世界観にひたるのである。

例のごとく?低予算作品とのことだが、そのアイデアは秀逸。カメラワーク、構図、演出、俳優たちの真剣な演技、どれもすべてが、卓越されている。一瞬の予断をも許さないストーリー展開は、まるで、2時間弱のジェットコースターにでも乗っているようだ。

f:id:tsuchinoko118:20111012044350j:image:left:w260想像を絶するラストは、展開に告ぐ展開、あ然とするほど、ひっくりかえりすぎで、ようやく(よくよく考えれば、カンタンに)予測できるオチへと、たどりついた時「やられた」と思い、愕然とする。”ジグソー”は、劇中の被害者に説教しているように思わせて、実は、わたしたちにも説教をしていたのである。

予告編で述べられている通り、まったく疲れる 作品だ。

なんといっても、作品の冒頭から最後まで、寝ている男がいる=これこそ犯人であり、このあと、2作目、3作目、4作目・・・・と続く「ソウ・シリーズ」=「ジグゾウ・シリーズ」の主人公トビン・ベル分するジグソウだというのだから、もう、驚くしか仕方がない。