★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【PC】QNAP Turbo NAS TS-212(ソフト編)

f:id:tsuchinoko118:20111001154005j:image:left:w220前回「QNAP Turbo NAS TS-212(ハード編)」に続いて、ソフト的な方をレビューする。

この手のハードウェアの場合、端から端まで熟知している人は別として、多くの場合、単に「NASサーバー」を置いて共有したい、バックアップしたいわけで、TS-212の構造や RAIDの構成、性能や規格に興味があり勉強しようというケースは稀であろう。つまるところ、設定や、利用方法は簡単でわかりやすければ、わかりやすいほどいいわけで、RPMを英語のホームページからダウンロードして、インストールしてくださいとかいうことをやりたいわけではない。
筆者も、一応、たぶん、専門家の部類に属するので、そうしろと言われたらするが、「RAID 1 ミラーリングの共有ファイルサーバー」をしたいだけ、なので、ここで手を煩わせてほしくないし、頭も使いたくないのが本音だ。

本機の場合、このあたりが十分に心得てあり、非常に簡単に設定などを触ることができる。
IPアドレスって何?というところから、QNAP Finder が用意してあり、インストールCDからインストールすると、LAN(同一サブネット)に接続された TS-212 を勝手に探し出してくれる。 ダブルクリックするとブラウザが起動し、非常に大きなアイコンのグラフィカルなメニューが出てくる。マニュアルを読まずとも悩むことはない。
RAID の構成や、設定も、「かんたんな設定」と「詳細の設定」がキチンとわけてあり、RAID 1RAID 0 にするなど危険な操作にはご丁寧に説明文や警告が至るところに表示されている。非常に親切だ。

いちばん驚いたのは、やたらと高機能なこと。

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Windowsネットワーク、Macintoshネットワークはもちろん、FTPにWebサーバー(WWW)に、自動的なバックアップに iTunesサーバーに、と、自動ダウンロードサービスにクラウド公開に、と、非常にたくさんある。
TS-212 のスペックから考えて、これ全部を機能させると、実用性がないぐらいに速度が落ちそうだが、これだけ揃っていれば、たいていのニーズ&ウォンツを満たせそうだ。

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筆者が喜んだのは、非常につまらないことかも知れないが「ネットワークゴミ箱」(笑)
NASサーバー内のファイルを削除しても、すぐに消えてしまうのではなく、ネットワークゴミ箱と称する別のフォルダに一旦移動される。Windows のデスクトップのゴミ箱と同じ感覚だ。これは、手動で消さなくても、何かのプログラムで消しても、とにかくゴミ箱に移動する。誤って消してしまったという事故は、ほぼ完全に防げる。

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NAS から NAS へのバックアップもあるが、筆者が必要としたのは、ローカルのいつも使ってるPCからの自動バックアップ。これはPCに常駐させるタイプで「QNAP NetBak Replicator」というソフトが提供されている。スケジュールを組んでおけば自動的に NAS にバックアップしてくれたり、リアルタイムに監視して、変更があったらバックアップしてくれる2種類のモードがある。実際に2〜3日使ってみたが、監視は理想ではあるものの、かなり動作が重く(原因が監視にあるのか TS-212の速度にあるのかは不明)実用性は残念ながらなかった。具体的には、こういうことだ。およそ 1GBあるようなデータベースファイルに、1000件のデータを追記する。こういうことをすると、1件追記されるたびに、1GBのファイルをバックアップする。ということ1000回繰り返すので、重くなって当然だ。このあたり、たとえば「1分毎に」チェックして更新があればバックアップするなどの改善点はあると思う。そんなわけで、半日に1回
自動バックアップしてくれるように設定して使っている。(普通のバックアップソフトと同じかも(笑)惜しい!)

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さらに iTunes で音楽を聴きながら仕事をすることが多いので、iTunesサーバーも試してみた。
設定は「ON」にするだけ。あとは指定の(multimedia)フォルダに MP3なりMP4を放り込んでやれば、iTunes を起動したときに、自動的に「共有」サーバーとして認識してくれる。中には放り込んだ音楽ファイルが並んでいるのでクリックすれば普通に再生できる。
残念なのは、フォルダは作れないこと。プレイリストを作ろうとしても、共有サーバーからは作成できないようだ(これは itunes の仕様の問題だと思うが)。
TS-212 側の指定フォルダ下に、自前のフォルダを作っても、そこは読み取ってくれない(フォルダは存在しないものと見なされる)。
TS-212 にはスマートプレイリストという フォルダもどきを作る機能も用意されていたが、最新の iTunes だとうまく動作しない。
つまり、べた〜〜〜っとした1階層に並ぶ曲を、抽出して聴くくらいしか出来ない。なんとも中途半端で残念だ。
・・・と言いつつも、朝から晩まで iTunes サーバーの音楽を垂れ流している筆者でもある。

いろいろと細かいところになると、うまくいかない部分、惜しい部分もあるが、Linuxで組むよりは楽だし、バッファローよりは安全・安心だ。
TS-212 という製品のポジションも、企業向けではないだろうし、SOHO向けと考えても充実しているとは言いがたい。かといって家庭向けというには、高機能すぎる。非常に微妙な立ち位置で このたりは 上位機の(?)TS-219+ も同様だ。しかし、かといって、さらに上位のモデルとなると本格的ではあるものの、お値段は格段に高くなる(そりゃそうだ)。

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当初の目的に戻って考えると「つかっていた Linux サーバーがぶっ壊れた」だから TS-212 にした、ということなので、内容的にもお値段的にも、十分に目的を達成していると言える。
その点、非常にスタンダードな選択だったと満足している。