★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【PC】QNAP Turbo NAS TS-212(ハード編)

f:id:tsuchinoko118:20110929100529j:image:left:w240筆者は、仕事の関係上、プログラムのソースはもちろんお客様との打合せの書類・メモ・見積から請求書などなど、あらゆるものを電子化しPCに保管している。このデータ、非常に重要なもので、消えてしまうと泣きそうになるだけで済まないので取り扱いは慎重にしている。

その”慎重”の一環で、ファイル共有サーバーをミラーリング(RAID 1)で立てて、そこに保存することにしている。CD-R や DVD-R/BD 外付けハードディスクにバックアップという手段もあろうが、なにしろ 500GBほどあるので、毎日リアルタイムにバックアップするわけにも行かず、自動でバックアップしてくれるミラーリング(RAID 1)を使っているわけだ。
使っているサーバーは Linux で動作するPC。およそ7年ほど前に立てたサーバーである。


f:id:tsuchinoko118:20111002050558j:image:right:w400ところが、先日、このサーバーが激しくビープ音を鳴らして壊れてしまった。触ってみるとものすごく熱い。ヤケドしそうだ。もちろんファイルの読み出しは出来ず、泣きそうになりながら、しばらく電気を切って再起動すると、動くことは動くが、また数十分程度でダウンする。これは完全に壊れてしまうまで、あとわずか、と判断して、解体、とりあえずメインPCに ハードディスクをつないでデータを救出した。

ミラーリング(RAID 1)なので、ストライピング(RAID 0)や、とてつもなくあやしいRAID 5 に比べて素直だ。LinuxファイルシステムであるEXT3 を Windows からアクセスできるソフトウェアをつかって、まずはデータの救出を行った。

ストライピング(RAID 0)や、とてつもなくあやしいRAID 5 だと データが読み出せないことが多い。これはRAID の仕組みによる哀しい性である。
筆者は、速度が遅くても、冗長性があっても RAID 1 しか使わない。
RAID 1 なら 最悪の場合でも、冷蔵庫にHDD をいれて十分に冷やし2台あるハードディスクのうち、どちらかでも読み出せれば、どうにか出来るからだ。

一瞬、目の前が真っ暗になったトラブルであったが、そのようにデータを救出し、調べてみると RAID に使っていた ARAID というハードウェアRAIDユニットに、ホコリが貯まりまくって熱で壊れてしまったようだ。ハードディスクの方は幸い2台とも無事であった。

データの救出は出来たが、消えては困るデータを、そのままPC上に置いておくわけにはいかない。万が一PCが壊れるなどが起これば、また泣きそうになる。どうにかバックアップ体制を構築しないといけない。

また 新たにLinux でサーバーを立てようかとも考えたが、いろいろと調べているうちに QNAP というメーカーを知り、小型の NASサーバー で ミラーリング(RAID 1)を構築してはどうかと考えるに至った。

筆者が Linux のサーバーだったのは、速度や性能のこともあるのだが、 当時 LANディスクと称して NAS サーバーを販売しているメーカーが、あまりに、いい加減なちゃっちいものを販売していたりして、信頼性がなかったこと。逆に信頼性があるものは、非常に高価だったことによる。
しかし、今は、いい加減なちゃっちい NAS サーバーを出しているところは激減。品質に問題有りということなのか、とにかく、あまり売られていない。まだ堂々と販売しているのは有名どころのバッファローぐらいなものだ。バッファローが生き残ったとも言えるが、ソフトウェアのトラブルで、データを破壊してしまう事故を起こしているし、そもそも本体が壊れたときに、ハードディスクを外して他のマシンに接続しても、認識さえしてくれないことも多く、NTFS でも EXT3 でもないよくわからないファイルシステムなのか、全くわからず、とにかく「壊れてしまったら、もう最後。あきらめるしかない」という程度のものなので怖くて使えない。実際バッファローの販売員(加賀市)が、バッファロー製NASに外付けハードディスクを接続し、常時コピー=ミラーリングをするのが常識だと言っていたことがあり、それでは NAS 本体のミラーリングの意味がないだろうと(確かに、さらに冗長性があるわけで安全といえば安全なのだが、この”常識”は、バッファロー性 NAS は本体が壊れたら、どうしようもないということ意味する)憤っていたものだ。やはり Linux で立てるか・・・ そう思ったときに知ったのが QNAP というメーカーであった。

なんと NAS 専門だという。

それだけで信頼性がぐんと上がる。NAS 専門ということは、バッファローのように NAS でコケたら、事業継続が不可能なほどに信用が落ちて倒産する危険性もあるということである。よほど気合いが入っているに違いない。そこで、いろいろと調べると、たしかに 以前よく見かけたような いい加減な安物 NAS や バッファロー製品よりは 倍ほどお値段が高い。しかし、かなり、しっかりしていると、評判も上々であった。

仕様などもずいぶんと調べ、最悪の場合でも、さまざまな形で復旧できると判断したので、購入を決めて TS-219+ か TS-212 か考えた結果、筆者の用途はバックアップがメインのファイルサーバーでしかない、のでと TS-212 を購入した。

TS-219+ は サーバーのような姿をして、いかにも SOHO 小規模事業者 あるいは 家庭で使っても良いという立ち位置の品。
TS-212 の方は、家電だ(笑)

大きな違いは ホットスワップと メモリやCPUなどの基本性能だが「最悪のとき」というのは、電源も切ってしまうので、ホットスワップはあまり必要としないし、速度も速い方がいいに決まってはいるが、しょっちゅうアクセスして大きなファイルを読み書きするわけでもないので「家電」で十分だ、と判断した。

ハードディスクは、TS-212の仕様書で動作保証すると書いてある 今は亡き(笑) HGSTの 2TB にした。

届いてすぐに組み立てを始めると、なんと簡単な。

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ビスでHDD をとめるだけ(笑) さすが家電だ(笑)

さらに電源を投入し、Web経由で TS-212 にアクセスすると、ほとんど「次へ」「次へ」でフォーマットからミラーリング(RAID 1)の構築まで済んでしまう、非常にできの良いウィザードがあり、あっという間にセットアップは済んでしまった。

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PCから、ファイルをコピー(移動)して、RAID 1 なので HDD 1 と HDD 2 が同期(RAID 構築)するまで、まる1日かかるが、最も手間暇のかかりそうなセットアップはものの数十分だ。

f:id:tsuchinoko118:20111002050559j:image:left:w360ともかく、あっさりと簡単に、そして 7年前のLinux サーバーよりも高速に動いてくれるサーバーが構築できたのであった。

めでたしめでたし。

それにしても「静音」を歌っているだけのことはあって、普段はかなり静かだ。大きなファイルを転送すると、ウィーンと ファンが必死に回っている音がする。それでも、従前の Linuxサーバーよりも、静かで転送速度も速い。

そして小さい(笑)

これで安心して仕事ができまする。次回は、やたらと高機能なソフトウェアについて記します。