【映画】ザ・カー
エクソシストに始まるオカルトブーム。そしてジョーズに始まるパニックブーム。血も凍る恐怖が世界中の銀幕を染めた時代がある。
本作「ザ・カー」は、その中にあって、半ばヤケ気味の逸品。
悪霊の乗り移った車が、ひとを轢いて撥ねて、次々と殺していく、いちおう恐怖映画。
とはいっても、見た目は、単に「車が人をはねた」だけなので、オカルト的恐怖というのは微塵も感じることができない。
かといって、演出が「運転手はいなかった・・・」というスタンスから入っているため暴走する車の恐怖というのもとくにない。
脚本は、終始、このナゾの車の事件のみに言及しており、なにか訴えかけたいことがあるのかというと、それもない。
そういう意味ではダメダメなのであるが、今も、こうして突然再発しているほど、不思議な魅力のある本作である。B級の醍醐味を全て合わせ持ったどうしようもなくつまらない作品とでも言えば良いか。
正直いって、この手の作品が大好きな御仁にしか、おすすめできない変な作品。なにが、どう、おもしろくて、こんな作品が世に出ているのか、言葉では、とても説明できない。