★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【音楽】ハイスクールララバイ(イモ欽トリオ)

f:id:tsuchinoko118:20110823124230j:image:left:w240意外にテクノ歌謡の名曲として名高い「ハイスクール・ララバイ」。
欽ちゃんの良い子悪い子普通の子という番組で、良い子・悪い子・普通の子役を演じていたヨシオ役の山口良一、ワルオ役の西山浩司、フツオ役の長江健次とで結成されたユニットで”企画もの”である。
あからさまなこの番組企画のコミックユニットに、作曲者として関わったのは細野晴臣。ちょうどYMOの「BGM」を出した直後の評価の高さと、テクノブームに乗って大ヒットを飛ばした。

歌謡曲・企画モノと言えばそれまでだが、この曲、たいへんよく出来ている。思いっきりテクノという意味で。

ちっちきちっちきちっちき・・・とリズムマシンハイハットの刻みから
リズムマシン(リンドラムかも)のタムで入る細野氏のお約束のようなオープニング。コードのルート音をひたすら8ビートでシンセベース(ぶちょぶちょ音)が流れ、メロディ部では、異常にレゾナンスのかかった、かすれそうな音が(やはりシンセ)で鳴り響く。徹底した”打ち込み”サウンドだ。

はたして、この曲そのものがテクノ歌謡として高く評価されたから爆発的に売れたのかと言えば、そうではない。明らかに、当時、人気番組だったことによる。テレビの影響力がすさまじかった頃でもある。

筆者的には「なんてカッコいいテクノなんだ」と、しっかりレコードを買ったりしてみたが、後のYMOの「テクノデリック」のKEY にアレンジがそっくりだと思い、商売人の細野氏に感心したものである。

”企画もの”のイモ欽トリオは、この1曲で解散予定だったが、あまりの人気に、2曲目、3曲目と発表するが、そこには、テクノの香りは皆無。ただただ人気にあやかって売れればいいという楽曲が続いて、気がつくと消え去っていたのは、大変残念であった。
マジメにやれば、もっとすばらしいユニットにもなっていたろうに。

ここに消費して使い捨てるマスメディアの文化を垣間見て、少々、かなしくなってしまうのであった。

しかしながら、「ハイスクールララバイ」今聴いても、かっこいいではないか。そう思うのはわたしだけかも知れないが。